「プラスチック汚染」の最前線で、世界の女性リーダーが闘う理由

プラスチック汚染の根絶に、女性のリーダーシップが必要な理由(Shutterstock)


子会社であるビンスマート社は、キャンペーン「プラスチックにNOを」を実施し、再生紙、段ボール、ESDプラスチックトレイ、パレットなど、リサイクル可能な、あるいは環境にやさしいパッケージを使用することで、ビジネスの現場におけるプラスチックの使用を最小限に抑えています。また、ベトナムのホスピタリティ業界をリードするビンパール社は、「ゴーグリーン」プロジェクトを実施。1カ月の間に、ネットワーク全体で約1.4トンのプラスチック廃棄物削減に成功しました。

3. 政策レベルの変化を


アドゥワ・コールマン氏
ダウ社、アフリカ持続可能性およびアドボカシー担当マネージャー
(ガーナ、民間企業セクター)

ガーナ政府と世界経済フォーラムは、ガーナでプラスチック汚染に取り組むための国家プラットホームを立ち上げました。ダウ社は、このプラットホームの積極的なサポーターであり、立役者です。どのようなビジョンを持ち、ガーナにおける女性のリーダーシップや起業をサポートしていますか?

国のプラットホームに関する私のビジョンは、セクターの政策レベルまで女性の参加を実現し、ガーナのプラスチック廃棄物管理セクターのすべての段階で、ジェンダー・パリティ(ジェンダー公正)を反映させることです。

ガーナのプラスチック廃棄物管理における女性の役割は、決して軽視できません。廃棄物の再生、回収、リサイクルといったプラスチック廃棄物のバリューチェーンのすべてのレベルで女性が活躍しています。しかし、バリューチェーンの上層部に行くほど、女性の参加率は著しく低下します。残念ながら、より収入が多い役職と相関関係にあります。

この分野でステークホルダーが女性のリーダーシップをサポートするには、いくつかの方法があります。廃棄物処理の官民連携の基準として、女性の代表者の数を確保すること。また、廃棄物再生分野で女性に依存している民間企業は、男性と女性のサプライヤーに同一賃金を保証し、女性のためのトレーニングやアップスキリング(技能向上)に重点を置くことです。

そして、この分野で女性が果たす役割について市民の認識を深めることが重要です。この分野で働く女性は、生物学的な役割を果たしていると一般的に捉えられがちですが、それは間違いです。廃棄物処理業に従事する女性は、他の雇用形態と同じレベルの敬意と評価を得る権利があるのです。


(この記事は、世界経済フォーラムのAgendaから転載したものです)

連載:世界が直面する課題の解決方法
過去記事はこちら>>

文=Kristin Hughes, Director, Global Plastic Action Partnership, Member of the Executive Committee, World Economic Forum Geneva

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事