「プラスチック汚染」の最前線で、世界の女性リーダーが闘う理由

プラスチック汚染の根絶に、女性のリーダーシップが必要な理由(Shutterstock)

プラスチック汚染問題に取り組む女性リーダーたちは、どのようなビジョンをもって課題に取り組んでいるのでしょうか。世界経済フォーラムのアジェンダからご紹介します。


・プラスチック汚染の最前線で闘う女性たちがいます。
・プラスチックのサーキュラー・エコノミーへの移行、そしてグリーンで持続可能な世界への移行は、包摂的かつジェンダー平等に配慮されたプラスチックのバリューチェーンを構築することと密接に関わっています。
・ジェンダーパリティ(ジェンダー公正)に配慮したプラスチック廃棄物管理セクターを実現するには、廃棄物部門への女性の参加を政策レベルまで引き上げる必要があります。

数十年に渡る、世界的な使い捨てプラスチックへの依存と、プラスチック廃棄物を環境から排除できない状況は、女性や、社会から疎外されたコミュニティに最も大きな打撃を与えてきました。

その一方で、女性たちはプラスチック汚染に対しても最前線で闘ってきました。女性たちは、家族やコミュニティのために、持続可能な消費と廃棄に関する決定をしています。プラスチック廃棄物を回収し、リサイクル業者に販売することで、清潔な都市や街づくりに貢献しています。また、組織的な障害が立ちはだかっているにもかかわらず、環境を保護し、社会的に脆弱な立場にある人々を守るために、重要な政策やビジネス上の決定を行っています。

プラスチックのサーキュラー・エコノミーへの移行、そしてグリーンで持続可能な世界への移行は、包摂的かつジェンダー平等に配慮されたプラスチックのバリューチェーンの構築と密接に関わっているという点については、幅広くコンセンサスが得られています。

つまり、女性の洞察力と直面している課題を活かして、意思決定の場に女性が確実に参加できるようにするということです。しかし、それは実際にはどのような形になるのでしょうか?

ここでは、グローバル・プラスチック・アクション・パートナーシップに参加する3人の女性リーダー(米国、ガーナ、ベトナム)が、プラスチック汚染を根絶するためには何が必要なのか、そして、なぜ女性のリーダーシップとジェンダー平等がこの取り組みに不可欠なのか、さまざまな視点から意見を述べています。

ジェンダーパリティ
プラスチック汚染を根絶するためには何が必要か?(イメージ: Our World in Data)

1. ゴーマン氏による朗読などクリエイティブな活動


デューン・アイブス氏
ロンリー・ホウェイル、エクゼクティブ・ディレクター
(米国、市民社会)

貴組織は、消費者や企業の使い捨てプラスチックの利用を減らすため、創造的なキャンペーンに取り組んでいます。このようなキャンペーンを展開する際に、ジェンダーは考慮されていますか?

私たちは常にリサーチから始めます。キャンペーン「水分補給の方法に疑問を」では、世界で年間5000億本も使用されている使い捨てのペットボトルの削減に重点を置いて取り組みました。市場調査の結果、このキャンペーンのメッセージに最も共感するのは、米国のミレニアル世代の白人とヒスパニック系の母親であることが分かりました。
次ページ > ゴミの分別の90%が女性によって行われている

文=Kristin Hughes, Director, Global Plastic Action Partnership, Member of the Executive Committee, World Economic Forum Geneva

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事