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2021.05.17

大手取引所コインベースが「ドージコイン」取り扱い開始へ

Getty Images

サンフランシスコを拠点とする世界最大級の暗号通貨取引所「コインベース」のCEOが、間もなくドージコインの取り扱いを開始することを明らかにし、ビットコインを含む幅広い通貨がセルオフモードに追いやられる中で、ドージコインの価格を押し上げることにつながった。

ナスダックに上場したばかりのコインベースのCEOのブライアン・アームストロングは、5月13日の投資家向けの電話会議で、「我々は今後6~8週間のうちにドージを上場する予定だ」と述べた。

「暗号通貨市場では、ますます多くの通貨が生み出されている。当社はアップストアや、iPhoneのアプリのように、時間をかけて膨大な資産を創出する場になることを目指している。その上で、通貨の追加のペースを加速させるために、多くのリソースを投入している」とアームストロングは述べた。

アームストロングのコメントに加え、イーロン・マスクが「ドージの開発者たちと協力して、トランザクション効率を向上させている」と発言したことで、ドージコインの価格は20%以上上昇した。

2021年に入ってから約1万4600%という驚異的な上昇率を記録したドージコインの強気相場は、手数料無料の取引アプリ「ロビンフッド」のトレーダーや、投資家の間での支持が高まったことから、1月頃から勢いづいた。

最初はジョークとして始まったドージコインの取引ボリュームは、ここ数カ月の間でビットコインや他の主要トークンに匹敵する規模に成長したが、マスクをはじめとする著名な投資家や有名人らの投稿が、その上昇に拍車をかけている。

しかし、マスクの気まぐれな発言は仮想通貨市場を乱高下させており、投資家がインフルエンサーに注目しすぎることがリスク要因となっている。

英領ヴァージン諸島を拠点とする取引所、BitfinexのCTOのPaolo Ardoinoは、Eメールによるコメントで次のように述べた。

「有名人のおしゃべりが、ビットコインの価格変動に影響を及ぼしているが、ビットコインの生みの親であるサトシ・ナカモトが依然として正体不明であることを忘れてはならない。私たちはサトシとビットコインにすべてを託しており、ビットコインは紛れもない暗号の王様だ。機関投資家たちも続々とこの分野に参入しており、未来の通貨のためのインフラが構築され続けている」

アルトコインにも売りが発生か


しかし、マスクがテスラでのビットコイン決済のサポートを中止したことや、ビットコインの環境へ負荷の高さを警告したことが相まって、アルトコインと呼ばれる小規模なトークンにも持続的な売りモードが到来することが懸念されている。

「ビットコインの重要なサポートレベルが崩壊した場合、ビットコインとアルトコインのボラティリティは高くなるはずだ」と、シンガポールに拠点を置くデリバティブ取引所DeltaのCEOのPankaj BalaniはEメールでコメントした。

「ここ数週間のアルトコインの強力な強気相場を考えると、これらのコインが直面する修正局面が大規模になる可能性が高いと予測する」と、Balaniは指摘した。

編集=上田裕資

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