ニーダーザクセン州ヴォルフスブルクに拠点を置き、傘下にアウディ、ベントレー、ランボルギーニなどのほか、商用車のスカニア、マンなどを持つフォルクスワーゲン・グループの今年第1四半期(1~3月)の売上高は、前年比13%増のおよそ790億ドル(約8兆6400億円)だった。
同社に続く第2位となったのは、仏銀行大手BNPパリバ。3~5位には食品最大手ネスレ(スイス)、金融大手HSBCホールディングス(英国)、自動車大手ダイムラー(ドイツ)が入った。
昨年の欧州のトップ企業、英蘭石油大手のロイヤル・ダッチ・シェルは、世界全体のランキングで順位を21位から324位に下げた。新型コロナウイルスのパンデミックで人々の移動が制限され、ガソリンの消費量が大幅に減少したことの影響を受けた。
一方、コロナ禍でも比較的影響を受けなかったのが、域内で昨年の6位から3ランク上げたネスレだ。コーヒーや「キットカット」などの菓子類をはじめ、一般家庭向けの食品の売り上げが増加。飲食店向けの販売の落ち込みの一部を相殺した。今年2月には、ペットケア関連製品やサプリメントなどの売上高の伸び率が、過去5年で最高を記録している。
また、欧州企業のランキング上位には、製薬会社も名を連ねた。仏サノフィは世界全体の順位が昨年から45ランク上昇(72位)。スイスのロシュは14ランク上げている(60位)。
昨年初めて「グローバル2000」に入った多数の高級ブランドを傘下に持つ世界最大のコングロマリット、仏LVMH(モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン)は、全体の順位で64位となった。同社の今年第1四半期(1~3月)の売上高は、前年比32%増の約167億ドルとなっている。
パンデミックはビールから工業用化学品まで、あらゆるものの消費に影響を及ぼした。「バドワイザー」を手掛けるアンハイザー・ブッシュは56位から377位に、ドイツの医薬品・化学大手バイエルは102位から492位に、化学メーカー最大手のBASFは107位から421位に順位を落している。
一時はパンデミックの中心地となっていた欧州もその他の地域と同様、経済に大きな打撃を受けている。欧州議会が公表したデータによると、同地域のGDPは2020年、ユーロ圏で6.6%、欧州連合(EU)加盟国で6.2%減少した。
「グローバル2000」ランキングは、https://www.forbes.com/lists/global2000/で公開されている。世界各国の公開企業の売上高、利益、資産、時価総額をファクト・リサーチ(FactSet Research)のデータに基づき分析、順位を決定している。