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2021.05.14 12:00

大荒れの暗号通貨市場で注目の「省エネコイン」、カルダノの実力


カルダノのADAトークンは今年だけで1000%近く上昇しているが、このトークンは市場全体の変動の影響を非常に受けやすく、2018年初めに弱気相場が到来した際には、2カ月足らずの間に90%近く暴落した。

ほぼすべての暗号通貨は、トランザクションを公開台帳に記録するが、そのプロセスではブロックと呼ばれる記憶領域を継続的に追加することが必要になる。このブロックを検証するのがマイナー(採掘者)で、彼らはリグと呼ばれる特殊なハードウェア上で24時間体制でコードを実行し、その働きに応じてトークンを受け取っている。

このプロセスは、膨大な電力を消費し、その規模はチリやオーストリア、フィンランドなどの国のエネルギー消費量に匹敵するとされている。さらに、マイニングに用いる機器は1年半ほどで使えなくなるため、巨大なボリュームの電子廃棄物の発生にもつながる。

カルダノが省エネを実現できる理由


ビットコインをはじめとする多くの暗号通貨は、ブロックを検証するために「プルーフ・オブ・ワーク(POW)」と呼ばれる仕組みを採用している。POWは多くの競合するマイナーたちによって実行され、複雑な暗号処理を行うため、膨大なエネルギーを必要とする。

カルダノは、POWの代わりに「プルーフ・オブ・ステーク(POS)」という合意形成の仕組みを用いており、「省エネの観点からも優れている」と主張している。POSの合意形成プロセスにおいては、最大のステークを持つユーザーを選び出し、検証に参加するメンバーを絞り込むことで、エネルギー消費を抑えられるとされる。

しかし、POWとPOSのどちらがセキュリティ面で優れているかについては、まだ議論が行われている段階だ。

カルダノに加えて、もう一つのサステナブルな暗号通貨とされるのが、リップルのXRPだ。しかし、米証券取引委員会(SEC)は昨年12月にXRPの販売が、違法な未登録有価証券の販売に当たるとして提訴しており、ここ最近もさらなる調査を行うとプレッシャーをかけた。その結果、XPRの価格は過去24時間で4%の下落となった。

編集=上田裕資

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