なかでも高い上昇を示したのが中古車や中古トラックの価格で、前月比で10%上昇し、1953年以降で最大の伸びとなり、CIP全体の上昇の3分の1以上を占めた。
4月の燃料価格は、前月比では3.3%の下落となったが、ロックダウンの影響で暴落した1年前と比べると28%の上昇となっている。さらに、今回の数値には含まれていないが、先日のサイバー攻撃により石油パイプライン大手コロニアル・パイプラインが創業を停止したことで燃料価格は高騰しており、今後はさらなる価格上昇が起こることが懸念されている。
食品分野ではベーコンの価格が前年と比べ10.7%上昇し、前月比では3.3%増で、全ての食品の中で最大の値上がり率となった。また、生鮮果物(特に柑橘類)が4月までの12ヶ月間で6%上昇したほか、乾燥豆やエンドウ豆、レンズ豆が7%近く上昇した。
さらに、パンデミックの影響で家電製品の需要が高まり、洗濯機は前年から約24%値上がりし、すべての主要家電製品の年間上昇率の12%を上回った。
旅行関連も上昇しており、航空券は10%、宿泊施設は8%、乗用車やトラックのレンタカーの価格は82%の値上がりとなった。
ただし、4月の物価上昇の多くは、いわゆるベース効果によるもので、比較対象となる前年の数値がパンデミックの影響で歴史的低水準に落ち込んでいたことも指摘されている。このベース効果は、今後の数ヵ月の間継続する見通しで、インフレ議論を複雑にする可能性が高い。
また、すべてのアイテムの価格が上昇したわけではなく、電話機のハードウェアや電卓などの価格は17%下落した。また、従業員用施設や学校で提供される食事の価格は、1年前に比べて35%下落した。
バンク・オブ・アメリカのアナリストは、4月の消費者物価指数を「マッシブ・サプライズ」と呼び、目先のインフレは物資の不足と経済の再開が原因であると述べた。
投資家はパンデミック中の前例のない財政出動が、パンデミックの収束とともに問題のあるインフレを引き起こすのではないかと懸念しているが、FRB(連邦準備制度理事会)は、経済が完全雇用に達し、インフレが一定期間2%を適度に上回るまでは金利を引き上げないと述べている。
これまでのところ、月次のCPIレポートでインフレ率が2%を超えたのは、2020年2月以降では今回が2度目となっている。