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また、ベンダーと顧客のあいだにも、利害関係の一致がある。新サービスが実際に自分たちに価値をもたらし、頻繁に使うものであれば、顧客も納得して、より高い料金を払う、という好循環が確実に成り立つはずだ。

「使用量に応じた価格モデルは、顧客第一主義という企業理念を根本的に具現化するものだ」と述べるのは、オープンビュー・ベンチャー・パートナーズ(OpenView Venture Partners)のパートナー、カイル・ポイヤーだ。「シェルフウェア(購入後ほとんど使われていないソフトウェア資産)や、ユーザーに悪い印象を与える使用体験が生じる余地はない。こうした価格モデルの利点は、顧客の成功を直接分かち合える点で、それにより今後何年にもわたり、利益を生んでくれるはずだ」

ポイヤーはさらに、使用量に応じた価格モデルを採用している企業の成長を裏付ける、以下の数字を指摘した。

・同業他社と比べて、売上の成長スピードが38%速い。
・売上継続率(NDR:net dollar retention。既存顧客から得られた売上を、前年同期と比較した指標)が高い(直近で新規株式公開[IPO]を行ったクラウド企業9社のうち7社で、この傾向が示されている)。
・一般的なSaaS企業と比較すると、公開後の株価は、収益マルチプル(企業価値を売上で割った値)に50%のプレミアムが乗せられた価格で取引されている。

もちろん、使用量に応じた価格モデルを採用したからといって、企業が突如として変化するわけではない。強力な製品と、トップクラスのチームは必要だ。

それでも、このモデルの導入を検討するのは良い考えだ。何より、この方式が普及しつつあるため、顧客の側がこうした価格体系を要求する可能性もある。

New Relicのプレジデント兼最高製品責任者(CPO)、ビル・ステイプルズはこう述べる。「使用量に応じた価格モデルこそ、ソフトウェアにとって未来のあるべき姿だと私は確信している。なぜならそれは、ベンダーと顧客のあいだの根本的な関係性を変化させるからだ」

「ベンダーは、顧客が喜んで使ってくれる優れた製品を作らなければ、収益が得られないことを十分に理解している。しかもこれは、単なる収益モデルではない。ベンダーは、自社のあらゆる機能を『顧客を成功に導くこと』に集中させていないのであれば、責務を果たし、能力を十分に発揮したとは言えない。使用量に応じた価格モデルとは、そうした理念を明確に表現したものなのだ」

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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