「我々は、ビットコインの採掘や取引のための化石燃料の使用が急速に増えていることを懸念している。なかでも石炭は最も有害な化石燃料だ」と、5月12日にマスクはツイートした。「暗号通貨は多くの面で良いアイデアであり、有望な未来があると信じているが、環境を犠牲にすることは許されない」
テスラはビットコインによる決済の受け入れを停止するが、マスクによるとテスラは今後もビットコインを保有し続けるという。「採掘がサステナブルなエネルギーによるものに移行すれば、すぐにビットコインによる決済を受け入れる」と彼は述べている。
ビットコインの価格は、ロンドン時間の13日未明の午前1時すぎに17%下落し、約4万7250ドルをつけた。
先日のBBCの報道によると、ビットコインのマイニングは膨大なコンピューティングパワーを必要とするため、「アルゼンチンよりも多くの電力」を消費するという。
テスラは最近、15億ドルを投じてビットコインの価値を急上昇させており、同社の突然の動きは興味深い。また、テスラは保有するビットコインの10%を売却して1億100万ドル(約110億円)の利益を計上し、第1四半期の業績を押し上げていた。さらにマスクは、ここ最近ジョークから始まった暗号通貨のドージコインに関し、盛んに発言していた。
今回のビットコインに関するマスクの発言は、彼がツイッターでフォロワーに対し「テスラはドージを受け入れるべきか」と質問した翌日に行われた。
マスクは、テスラが「消費エネルギー量がビットコインの1%以下の暗号通貨」を検討していると述べたが、具体的な名前は明らかにしなかった。
テスラは、2021年2月8日に提出した年次報告書(10-K)で、ビットコインへの投資を開示し、「デジタル資産を随時または長期的に取得・保有する可能性がある」と述べていた。
ビットコインもテスラ株も下落
さらに、「近い将来、適用される法律に従い、最初は限定的に当社製品の支払い手段としてビットコインの受け入れを開始することを期待しているが、それらを受け取り次第、精算する場合もあれば、しない場合もある」としていた。
4月26日の第1四半期決算発表の場で、テスラのCFOのザッカリー・カークホーンは、「ビットコイン市場の流動性の観点から、当社の投資は良い決断であることが証明された」と述べていた。
「当社は、ビットコインの価値を信頼しており、顧客から受け取ったコインを蓄積し続けていく」と彼は述べていた。
テスラの株価は、12日のナスダック市場で4.4%下落し、589.89ドルをつけた。同社の株価は今年に入ってから約16%下落している。