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Yoshikazu Tsuno - Pool/Getty Images

東京オリンピックの開催まであと100日を切った日本政府は、新型コロナウイルスのワクチンの接種体制を強化しているが、ワクチンに対する国民の不信感が根強い日本では接種が遅れ、五輪開催に対する反発がさらに激化する恐れがある。

日本は他国に比べると、概ねコロナウイルスの感染拡大を防ぐことに成功している。ここ最近、感染者数は増加しているが、日本の100万人あたりの感染者数はわずか5000人程度であり、100万人あたり数万人の感染者を出した米国やフランス、英国などの国々に比べるとはるかに低い水準となっている。

日本では、比較的低い感染率がワクチン接種の緊急性を引き下げたが、ワクチンに関するトラブルの歴史や、予防接種に対する国民の信頼性の低さも、接種が進まないことの一因となっている。

日本はワクチンに対する信頼度が世界で最も低い国の一つであり、2020年のランセット誌の調査では、ワクチンが安全で効果的であると強く同意した日本人はわずか30%だった。また、公共放送局NHKの昨年の調査では、日本人の3人に1人以上がコロナウイルスワクチンを接種したくないと考えていることが示された。

日本におけるワクチン普及は、先進国の中でも最も遅れており、少なくとも1回のワクチン接種を受けた人は全体のわずか2.8%、2回のワクチン接種を受けた人は1%に過ぎない。また、接種対象者は医療従事者と65歳以上の人々に限られている。

日本政府は、7月末までに全国の65歳以上の高齢者3600万人の接種を完了させることを目標としており、5月10日から各自治体での接種を本格化させた。

ワクチンの接種率の低さに加え、最近の新規感染者の急増で、東京が非常事態に陥っていることから、夏のオリンピックを再延期するか、全面的に中止するよう求める抗議活動が活発化している。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によると、先月の抗議活動に参加した活動家は、「金メダルは人々の命よりも優先されている」と語ったという。読売新聞の先日の世論調査によると、日本国民の60%近くが大会の中止を望んでいる。しかし、日本の菅義偉首相と国際オリンピック委員会は、大会は予定通り開催されると述べている。

主催者側は、海外からの観客の受け入れ停止や、選手への毎日の検査の実施、観客の公共交通機関の利用禁止措置などによって、大会を安全なものにできると述べている。

編集=上田裕資

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