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2021.05.13

ズーム疲れの4要因とその解決法 スタンフォード大研究者が解説

Girts Ragelis / Shutterstock.com

コロナ禍でオフィスから従業員の姿が消えたことで、これまで実際の部屋に集まって行われていた打ち合わせや会議は、ズームに取って代わられた。ただ、誰もが外出自粛生活を続ける中でビデオ会議が必須のものとなる一方で、長時間のビデオ会議による影響も生じている。

スタンフォード大学仮想人間交流研究所の研究チームは、1日に数時間もビデオ会議に参加することにより生じる影響を調査。「ズーム疲れ」につながる4つの要因を発見した。以下にズーム疲れの4つの原因と、それを防ぐ方法を紹介する。

・過度なアイコンタクト

研究チームは、ビデオ会議中に人がとるアイコンタクトの量や、画面上の人々の顔の大きさが不自然であることを発見した。対面型の会議では、参加者は話し手の方を見るだけでなく、メモを取ったり、視線をそらしたりする。しかしズーム会議では、参加者全員の顔を絶えず見つめている。

話し手ではない人ともアイコンタクトを取る量が大幅に増加することで、ストレスも増加する。また、話していない時にも互いを見続けることで、不安と自意識も増大する。同研究所所長のジェレミー・ベイレンソン教授はスタンフォード・ニュースに対し、「ズームを長時間使用し続けることで、過覚醒状態に陥る」と説明している。

教授の提唱する解決策は、全画面表示(フルスクリーンモード)をやめてウィンドウを小さくし、参加者の顔を最小化することだ。これにより負担が減り、ズームと自分自身との間に距離を置くことができる。ビデオ会議中に参加者全員の顔を見なければならないという意識も少なくなる。

・常に自分の姿を見ること

ベイレンソン教授によると、自分自身の姿を見ると、自分に対する批判的な感情が増えることが、過去の研究からわかっている。今は多くの会議や集いがズームで行われているため、私たちは自分の顔を毎日何時間も見つめ続けている。「これは大きな負担であり、ストレスがたまることだ。鏡に映る自分の姿を見つめていると感情に悪影響が生じるということは多くの研究で示されている」とベイレンソン教授は言う。

教授は、ズームの「セルフビューを非表示」機能を使うよう推奨している。この機能は、自分のビデオの右上部分にあるメリューから設定できる。
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編集=遠藤宗生

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