オトコが語る美容の世界

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コロナを機に変化のスピードが加速している世の中だが、美容業界でもパラダイムシフトが起きている。大きな流れはふたつあり、ひとつは環境対策で、もうひとつは健康志向である。

遡ること20年ほど前、ファッションがメインだった女性雑誌にメイクや美容の企画が増え、2001年には日本最初の美容専門女性誌である「美的」が小学館から発行された。その後、集英社から「マキア」、講談社から「Voce」が登場し、日本雑誌協会や定期購読最大手のFujisanによれば、現在でも毎月10万部前後が発行されている。

スマホやネットが主流の今でも、誌面にはやはり価値がある。ファッションと比較するとコストが安いコスメであっても、メーカー、価格、成分などの基礎情報から、誰が使っているか、他アイテムとどう組み合わせるか、どんなシーンに合うかなどまで深みがあり、美容ライターにかかれば紙面があっという間に埋まる。


Getty Images

ファッションで顔まわりに関するものは、帽子、ヘアアクセサリー、サングラス、ピアスなど5〜6アイテムだが、コスメはその10倍の50種類ほど存在する。嘘のような話だが、髪の毛だけでも、シャンプー、トリートメント、オイル、育毛、スカルプクレンジング、ワックス、カラー、白髪染め……と15種類ぐらいある。

これら大量の情報を使いこなすプロとして、美容家がいる。厚労省の衛生行政報告書によれば、国家資格の美容師と理容師は73万人いて、それ以外にもエステティシャンやメイクアップアーティスト、化粧品を販売する美容部員さんなど、美容に関心が高いプロが合計で200万人ほどいると言われている。これだけの分母だからこその、雑誌の部数なのだろう。

美容雑誌でも市民権を得たSDGs


その美容業界も方向性が変わってきている。最近は、環境対策と健康がキーワードだ。なかでもSDGsという単語は、美容雑誌でも普通に見かけるほど、市民権を得た。わかりやすいプラスチックゴミの問題だけでなく、地球に優しいコスメやオーガニック農業への関心はますます高まっている。

「コスメキッチン」というオーガニックコスメに特化したコスメショップは、すでに売り上げ200億近くとなり、その傘下の「Biople」というオーガニック食材を中心とした店舗も全国に22店舗を構えるほど急成長している。アパレル商社がプロデュースしており、おしゃれでSDGsという二兎を得る展開が格好いい。

文、写真=朝吹 大

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