米国の1日あたりの接種数は4月中旬に平均約330万回と過去最高を記録したが、5月10日には約40%減の202万回となった。
ワシントン・ポストがまとめたデータによると、ここ1週間の平均接種回数は17%減少しており、減少幅はその前の週の12%からさらに大きくなっている。
直近でワクチンの接種スピードが早まったのは4州のみだった。南部のテネシー州とルイジアナ州においては接種率が30%に満たず、大幅な遅れをとっている。
さらに接種率が最低レベルの州の、週あたりの接種数が大幅に落ち込んでいることも大きな問題だ。ユタ州やジョージア州、アーカンソー州では、接種率が全体の3分の1以下にとどまっているが、直近の週あたりの接種数はその前の週との比較で24%から37%も減少した。
これらの減速の背景には、人々がワクチン接種を躊躇していることや、接種会場へのアクセスの悪さが挙げられている。さらに、アイオワ州やイリノイ州、ウィスコンシン州では用意したワクチンがだぶつき、政府からの追加のワクチン割り当てを断っている。
世論調査によると、人々はさまざまな理由からワクチンの接種を躊躇している。先週発表されたギャラップ社の世論調査によると、ワクチンの安全性が確認されるのを待っている人が24%で、ワクチンの開発スピードの速さに不安を感じている人々が17%だった。さらにウイルスの危機を感じないという理由で、ワクチンを摂取しない人々も存在する。
ただし、今回の世論調査で「無料で接種できると言われてもワクチンを接種しない」と答えた人の割合は、これまでで最も低い25%にとどまっており、今後はより多くの米国人を説得できる可能性も示された。
バイデン大統領は先日、7月4日までに70%のアメリカ人が少なくとも1回のワクチン接種を受けるという目標を発表し、政府や地方自治体は接種スピードを上げるための努力を続けている。