ファイザーとビオンテックのコロナワクチン、変異株への有効性を確認

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米製薬大手ファイザーと共同開発した新型コロナウイルスワクチンについて、ドイツのバイオ医薬品企業ビオンテックは5月10日、変異株に対しても従来型の株と同様の効果があるとの見解を改めて示した。現時点では、供給しているワクチンに変更を加える必要はないという。

ビオンテックは同日に発表した今年第1四半期(1~3月)の決算報告書で、両社のワクチンが「主だった変異株に対する有効性を維持するための変更が必要であることを示す証拠はない」と明らかにした。

ビオンテックとファイザーの「メッセンジャーRNA(mRNA)ワクチン」については、最近発表された他2件の研究結果でも、従来型の株より感染力が強くなった英国型とブラジル型の変異株に高い有効性を持つことが報告されている。

ただ、両社は変更が必要な変異株が新たに出現する可能性にも備えており、3月から「修正した」ワクチンの臨床試験を開始しているという。

さらに、ワクチンによって獲得された新型コロナウイルスへの免疫力をより長期にわたって持続させるとともに、変異株にも対応させるための「ブースター(追加免疫)接種」が必要になった場合の影響についても、評価を行っているという。

同社とファイザーは今年、各国に合計およそ18億回分のワクチンを供給する契約を結んでいる。生産拠点の増設により、年末までに生産量を30億回分に引き上げる計画だ。

ビオンテックの今年第1四半期の売上高は、およそ20億4840万ユーロ(約2640億円)で、前年同期の2770万ユーロから大幅に増加した。増収は主に、世界各国に供給している新型コロナウイルスワクチンの急激な増産によるもの。また、同期の純利益は11億2810万ユーロ。前年同期は5340万ユーロの純損失を計上していた。

編集=木内涼子

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