中国の政府系メディアGlobal Timesが中国乗用車協会のデータを引用して伝えたところによると、4月の中国でのテスラ車の販売台数は27%減の2万5845台で、3月に比べてほぼ1万台の減少となった。
これとは別にロイターは、テスラが米国などに輸出するモデル3を製造するための新工場建設にむけて検討中だった上海工場に隣接する土地の購入を断念したと報じた。米国は中国で製造された自動車に25%の関税を課している。
テスラの株価は11日のナスダック市場で11.84ドル(1.9%)下落し、617.20ドルで取引を終えた。同社の株価は今年に入ってから約13%下落している。
4月の売上の減少と生産計画の変更は、同社が先月、顧客からのブレーキに関する苦情への対応が「傲慢」であるとの批判を受け、政府関係者がテスラ車に搭載されたカメラが潜在的な安全保障上のリスクをもたらすと懸念し、中国の軍事施設への立ち入りを禁止したことに続くものだ。同社はこれらの問題に対する懸念を和らげるために、融和的な姿勢をとっており、マスクは先月、北米以外の地域ではカメラを作動させて無作為にデータを収集することはないと述べていた。
これらの問題に加えて、テスラは他の大手自動車メーカーと同様にコンピュータ・チップの不足に直面していると、ウェッジブッシュのアナリストのダン・アイブスは11日のリサーチノートで述べている。
「テスラがチップ不足の問題に直面しているのは明らかで、生産と物流面でもさらなるプレッシャーをかけられている。また、ベルリンの新工場での製造は、2022年以降になる見通しだ」と、アイブズは述べた。彼は、テスラの中国での販売台数が30万台を超え、2022年までに全世界での販売台数の約40%を占めるようになると予想している。
「そのような前提から考えて、テスラが中国政府との関係を改善すると同時に、消費者の不満を和らげることは必須の課題となっている。これらの問題が4月の中国での販売にマイナスの影響を与えたことは明らかであり、結果的に投資家たちはテスラの株に売りを仕掛けている」とアイブスは続けた。