マイニングには複雑な数式の計算が必要であり、高い演算能力をもつ高価なコンピューター機器を必要とするため、途方もないエネルギーを消費する。ケンブリッジ大学が発表した「ビットコイン電力消費指数」によれば、現在ビットコインのネットワークに使用されている電力量は年間142.59テラワットアワー(TWh)であり、この数値は多くの国々の消費電力量を上回っている。
身近な数字で言えば、これは、英国で湯を沸かすのに使われるすべての電気ケトルの消費電力を32年間、あるいはEUのすべての電気ケトルの消費電力を4年半まかなえる計算になる。別の言い方をすれば、世界の電力生産量の0.57%に相当し、世界の電力消費量の0.65%を占める。
もしビットコインが国だったら、2021年5月の時点で世界27位の電力消費国だ。その年間電力消費量はノルウェー(124TWh)を上回り、バングラデシュ(70TWh)の2倍以上になる。
世界最大級のテック企業と比べても、ビットコインの消費電力量は桁違いだ。ビジュアルキャピタリストのデータによれば、グーグルの年間電力消費量は12TWh、フェイスブックは5TWhにすぎない。それでも、ビットコインのエネルギー消費は、世界のデータセンターの合計である205TWhと比べればまだ少ない。