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2021.05.28 07:30

2年で驚きの急成長 「Super Coffee」を生んだ若き3兄弟の野望

Jim, Jake and Jordan DeCicco(photo LESSON MEDRANO)

米国のレディ・トゥ・ドリンク・コーヒー(缶やペットボトル入りなどの、そのまま飲めるコーヒー飲料)市場では、2020年末に新興ブランド「Super Coffee」がスターバックスとダンキンに次ぐ3位に躍り出た。

Super Coffeeの製造元であるKitu Lifeを設立したのは、Jordan DeCiccoと2人の兄、JakeとJimだ。同社の売上高は前年比106%増の5500万ドルを記録し、評価額は4億ドルに達した。スターバックスとダンキンの売上高は数十億ドル規模だが、2019年から2020年にかけて減少している。

「我々は、会社の設立以来、急激に売上を伸ばし続けている。2018年に400万ドルだった売上が、2020年には5500万ドルになり、この2年間で信じられない成長を遂げた」とCEOを務める28歳のJimは述べた。現状では、利益よりも成長を優先しているという。

Super Coffeeの売上高は、2021年の第1四半期に前年同期比57%増を達成した。3兄弟は、2019年にフォーブスの「30アンダー30」に選出された。彼らの今年の目標は、あらゆる飲料売り場でSuper Coffeeを販売することだ。

Super Coffeeは、4月23日にホールフーズ・マーケットでファイナンス担当のバイスプレジデントを務めたRosanna GoddenがCFO(最高財務責任者)に就任したことを発表した。「Goddenの参画により、買収やIPOをはじめ、迅速で効率的にグローバル成長を遂げる選択肢を模索することが可能になった」とJimは声明の中で述べた。

Goddenは、ホールフーズとアマゾンでM&Aファイナンシングの責任者を8年間務めた。それ以前は、スターバックスで会計業務を担当し、消費財やリテールのファイナンスのほか、同社によるEvolution Freshの買収に携わった。

「Super Coffeeでは、私のこれまでの経験を活用する機会が日常的にあり、すぐに成果を出すことができると考えている」とGoddenは述べている。

ピーター・ティールが認めた才能


3兄弟は、飲料会社やカフェ業界で務めた経験がない。彼らは全員、大学時代に運動部で活躍し、会社を設立したとき、最年少のJordanはまだフィラデルフィア大学の1年生だった。

彼はバスケットボール部に所属し、毎朝5時から短距離走や重量挙げのトレーニングをしていたため、疲れて授業に集中できないのが悩みだったという。彼は校内の販売店でコーヒーを買い求めたが、唯一置いてあったスターバックス・フラペチーノのコーヒー飲料には砂糖が31グラム、炭水化物が37グラム入っているため、アスリート向けではなかった。そこで、彼は学生寮でプロテインやココナッツオイル入りのコーヒーを自分で作ったところ、チームメイトから好評を得たという。
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編集=上田裕資

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