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難民から考える、日本と世界の「未来」


1回目不認定、2回目も不認定となる中で、「難民」として認定してもらい、安心して日本で生きてゆけるという希望は、どんどん失われてゆく。次の結果だって、きっと難しいだろう、と。難民申請した人たちのうち、1%未満しか認定されないという日本の現実は、難民申請者も知っている。

だからといって、祖国を出てきたいま「難民になる」以外の選択肢がない。

強制送還後、失われるかもしれない命


一昨年、晴れて「難民」になれるまで10年もかかった男性の話を聞く機会があった。もちろん、彼も認定されるまでの道のりで、不認定にもなったという。

私の父親くらいの年齢のその男性は「私の人生はこれからです」と言っていた。

もし、改正案が採択されたら、彼のような人が10年の難民審査の道のりで、強制送還され、祖国で殺される可能性が出てくるということなのだ。適切に審査されず、強制送還された後に、失われるかもしれないその命に誰がどう向き合えるのだろうか。

今回、3回目の審査でも不認定だったら送還されることに焦点が当たっているが、3回目のずっと手前で、希望を失い心身ともにボロボロになってる人たちも大勢いる。

日本で疲弊しながらひたすら待ち続ける人たちを、彼らが最も「危ないから帰れない」と言っている国に帰す、それはやはりあってはならないことだ。

4月5日には、国連人権理事会からの特別報告者4人が、日本政府に対して、政府の「入管法改正案」が国際人権法に違反しているという共同書簡を送っている。

「監理人」を置く新制度 その内容は?


もうひとつの大きな改正点は、在留資格のない外国人に対し「監理人」の指導・監督下のもとで生活させる「監理措置」という制度が新設されるということだ。

今は存在しない新しい制度なので、実際にはどう運用されるようになるのかわからないが、収容施設の外にいる親族や友人、支援者などが「監理人」になることを条件に、収容されていた人たちが、収容施設の外で生活できるようになるとされている(とはいえ、相当な釈放金が必要なので、出られるのは一握りとも)。

そもそも、入国管理局の収容施設とはどんなところで、なにが起きているのか、足を運ぶことがまずない日本人にはあまり知られていない。

在留資格を持たない外国人を収容する施設が、全国にある。収容された多くの人が鬱になり、みるみるうちに痩せ、精神を壊し、自殺や死者も出ている施設。この20年で20人の収容者が命を落としている

長期の収容に抗議しながら亡くなっていった人たちの中には、難民申請中で母国に帰れない、日本で安心した生活をしたいと訴え続けている人もいた。

命を落とすまでいかなくとも、収容者の容体が悪化し、救急車が収容施設のすぐ側まで来ていたにも関わらず救急搬送が拒否されるなどの出来事もあった。

文、写真=渡部カンコロンゴ清花

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