暗号通貨への政府介入で起こりうる、2つの「悪夢のシナリオ」

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政府が暗号通貨の利用を奨励した場合


次に、もし政府が突然、「ビットコイン教」にはまり、暗号通貨の利用を奨励するようになったら、何が起きるだろう?こちらも問題が起きるおそれがある。ロナルド・レーガン元米大統領がかつて述べた以下の言葉は、全くもって正しい。「9つの英単語でできた、最も恐ろしい文がある。それは、『I’m from the Government, and I’m here to help.(私は政府からやって来ました、みなさんを助けるために)』だ」

では、政府がビットコインなどの暗号通貨の使用を奨励し始めたらどうなるか、(可能であれば)想像してみよう。

暗号通貨
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世界中の政治家は、厳しい規制を課したいという共通した願望を持っている。この願望が、暗号通貨に限っては実行に移されない、と考える理由はあるだろうか?活気づいている産業分野の勢いが、規制によって削がれる事例があるなら、同じことが暗号通貨に起きないとは言えない。

税金が課されるケースを想像してみよう。

有権者に向けて将来的に提供するサービスを、選挙運動の公約として掲げる政治家は増える一方だ。しかし、そうしたサービスを実際に提供するには、その費用をまかなう必要がある。今後、暗号通貨に重税が課されれば、こうした資産を保有するメリットは消滅してしまう。

もし政府が、国民がこれまで行ったあらゆる取引のブロックチェーンレコードを保有できるとしたら、ということを想像してみよう。全体主義体制の国家で、そうした状況になれば恐ろしいことだ。あなたは、自分の金銭的な取引に関するデータを、政府にそこまで深く把握されることを望むだろうか?

こうした問題はすべて、多くの暗号通貨ファンが、ビットコインをはじめとするこうした通貨を好ましいと考える理由の真反対に存在している。つまり、政府が暗号通貨を取り込もうとしたら、全面禁止と同じくらい悪い結果がもたらされる可能性があるのだ。

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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