ブテリンが、2018年10月にメインのイーサウォレットとして公開したアドレスには、3日午後の時点で33万3520イーサが保管されており、その価値は10億9000万ドルに達していた。
イーサの時価総額は3日時点で3760億ドル(約41兆円)で、ビットコインの1兆800億ドルに次ぐ規模となった。イーサの価値は今年の年初から急上昇したが、背景には銀行などの金融機関を置き換えることを目指す分散型金融(DeFi)アプリの人気の高まりがあるとされている。
データアグリゲーターのDeFi Pulseによると、現在720億ドル以上の資金がDeFiプロトコルにロックされており、その多くがイーサリアムのブロックチェーン上に構築されている。
しかし、イーサリアムは、世界最大の暗号通貨取引所のバイナンスが開発したブロックチェーンインフラのBinance Smart Chain(BSC)との厳しい競争に直面している。BSCは、4月下旬以降に、1日あたり平均800万件以上のトランザクションを処理している。これに対し、イーサリアムの処理件数は1日あたり100万件強だ。
その他の有力なブロックチェーンとしては、AlgorandやCardano、Polkadot、Solanaなどが知られている。
ブテリンは1994年にモスクワ郊外のコロムナという町で生まれたとされている。その後、家族とともにカナダに移住した彼はトロントで育ち、18歳だった2012年にビットコインマガジンを立ち上げた。
2014年にブテリンは、ティール・フェローシップ(ペイパルの創業者でフェイスブックの初期投資家のピーター・ティールが始めた起業家育成プログラム)に選ばれ、10万ドルの資金を受け取ってイーサリアムの開発を本格化させた。
ブテリンは今年4月末に、約60万ドル相当のイーサとMKRのトークンをインドのコロナ危機救済基金に寄付していた。
フォーブスはブテリンにコメントを求めたが、期限までに回答は得られなかった。