タミヤの「ワイルドワン」が大人が実際乗れる車として来年復活する

遊び心をくすぐる「走れる模型」がEVで登場する

タミヤのラジコン大ヒット商品「ワイルドワン」が2022年に復活する。しかも、そのスケールは1/10ではなく、ほとんどフルサイズの8/10で登場する。ということで、ネーミングも「ワイルドワン・マックス」に変更。どういうことかというと、つまり、ドライバーが実際に乗れるサイズに“大”変身するので、ラジコンのコントローラーは要らない。

「ワイルドワン・マックス」は、英国のリトル・カー・カンパニーがタミヤのライセンスのもと、カムバックさせる。リトル・カー・カンパニーは、ブガッティ・ベイビーIIや、アストン・マーティンDB5ジュニアなどを作ってきた実績を持つ会社なので、タミヤのデザイン通りの「ワイルドワン・マックス」の製造は問題ないだろう。

ブガッティの写真
ブガッティ・ベビーII

オリジナルの「ワイルドワン」は、ラジコンブームだった1985年に発売され、タミヤの人気商品となった。その後、タミヤの人気ぶりがずっと保ったおかげか、2012年にはそのリニュアル版が登場した。今、開発中のワイルドワン・マックスは、スペースフレーム構造を搭載し、後輪駆動の電動オフロード・バギーだと呼べる。

同車は、4輪独立懸架とコイルオーバーサスペンションはRCカーと同じだし、3点式シートベルト、デジタルメーター、レーシングタイプのステアリング、ブレンボーブレーキも搭載されている。これを聞いた時は、「うお~、本格的だね~!」と思わず叫んでしまった。全長3.5m、全幅1.8m、重量250kgというスペックだから、身長が160cm~195cmであれば、大人1人が楽にコックピットに座れる。と聞くと、この車両は完全に大人用と言えるね。

車体全景

今までのタミヤのラジコンモデルと同様に、ワイルドワン・マックスも自宅で組み立てることもできるというけど、かなりのスペースが必要になるだろう。いうまでもなく駆動は電気モーターを使用。2kWhのバッテリーパックで出力4kwのモーターを駆動するので、最高速度は48km/hほど出るようだ。

EVだと聞くと、当然気になるのは航続距離。このEVのレンジは40kmと多少短く感じるけど、「ホップアップオプション」という高性能オプションを組み込めば性能、航続距離などを引き上げることが出来るという。もう一つファンが楽しめるのは、組み立てがちょうど完成する時に貼るステッカー。しかし、今回はクルマはほぼフルサイズなので、スタッカーも大きくて迫力ある。

車体に貼るステッカー

ワイルドワン・マックス、すでに3種類の公道走行用の「ロードリーガルパック」も準備されているというから、晴れた日なら街乗りも楽しめる。今のところ、ヨーロッパとアメリカの法律をクリアしているにもかかわらず、日本の道路交通法に合致しているかは不明。だけど、タミヤのことだから、きっと日本でも公道は走れるはず。

イギリス本国での価格は6000ポンド(約91万円)からということで、グローバルマーケットへの発売は2022年を予定している。

国際モータージャーナリスト、ピーターライオンの連載
「ライオンのひと吠え」過去記事はこちら>>

文=ピーター・ライオン

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