オースティン長官は、マーク・ミリー統合参謀本部議長を交えた記者会見で、米国は現時点で中国の大型ロケット「長征5号B」に対して行動を起こす予定はないが、国防総省はそれを撃墜する能力を持っていると話した。
「我々は多くのことができる能力を持っているが、今のところミサイルで迎撃する計画は立てていない」と長官は語った。
国防総省の最新の予測では、制御不能な状態にある重量22トンのロケットは、この週末にも大気圏に再突入するという。ペンタゴンはその脅威を評価中だが、オースティン長官はロケットの破片が人口の多い地域に落下しないことを「期待している」と述べ、「願わくば、海かそのような場所であってほしい」と付け加えた。
長征5号Bは、中国が独自に進める宇宙ステーションの建設に使われている大型の運搬ロケットで、先月、基幹となる施設を搭載して打ち上げられた。オースティン長官は、「宇宙空間で活動するにあたっては、安全に配慮した姿勢が要求される」と話し、ロケットの制御に失敗した中国を遠回しに批判した。
長征5号Bは、制御されていない状態で地球の大気圏に再突入した物体の中では、10本の指に入る大きさだ。これまでの再突入で死者が発生した例はなく、ワシントン・ポスト紙によると、破片が主に海に落下する確率は約70%で、「人口の多い地域に影響を与える可能性は極めて低い」という。
しかし、ハーバード大学の宇宙物理学者のジョナサン・マクダウェルは「残骸がどこへ向かうかを正確に予測することは不可能だ」と話している。
「中国は、前回の長征5Bロケットの打ち上げで、大きな長い金属の棒を落下させ、コートジボワールのいくつかの建物に被害を与えた」とマクダウェルはガーディアン紙に語っている。「ほとんどは燃え尽きたが、巨大な金属の破片が地面に落ちた。誰も怪我をしなかったのは非常にラッキーなことだった」
ロケットの軌道は、orbit.ing-now.comなどのウェブサイトで確認可能だ。