ビジネス

2021.05.12

天才を応援する「共感の神」たれ。北野唯我とカリスマ起業家の信念

Photo by Neil Thomas on Unsplash


守屋:そうですね、楽しいです。社会にはチャンスが転がっていますからね。例えば、農業という大昔からある事業ですら進化の可能性に満ちています。

今、僕が社外取締役で関わっている日本農業(JICA)というスタートアップは、高密植栽培方式でリンゴを作っています。この方法で栽培することで、リンゴの収穫量が3倍になることがわかったんです。つまり、一般的な栽培方法ではヘクタールあたり20トンの収穫量なのですが、高密植栽培の場合はヘクタールあたり60トン採れるようになる、ということです。日本最大のリンゴ農家は15ヘクタールで、15×20トンで300トン作っています。日本農業は、8ヘクタールしか土地を持っていませんが、8×60トンで480トン作ることができ、結果的に日本最大規模の農家になっているのです。

さらには既に、タイで日本式のいちご生産、香川県でキウイフルーツの生産なども開始をしていて、りんごだけでなく世界中の様々な場所・品目でチャンスがあるんです。農業にだってそこまで可能性があるのだから、他の事業にもチャンスがゴロゴロ転がっているはずなんです。僕は、これからもチャンスに対してやりきれる意志を持った人を全力で応援したいと思っています。

未来はわからない、でも「わかる」と信じて進む


北野:僕も未来をつくる人を応援したいと思っています。未来を作る人は、楽しくやりたいことを話しているだけで、周りの人が膨大なエネルギーをもらえたりする。あり得ないエネルギーの法則ですよね。僕は、そんなパワフルに未来をつくる人が好きだし、応援したいんです。



守屋:人の能力は実際のところ、そう大きくは変わらないと思うんです。では、何で差がつくかというと唯一「意志」なんです。着火すると、何十倍何百倍ものパワーを発揮しますよね。それが、北野さんの言う「未来を作る」ということなのだと思います。

世の中のど真ん中の太い課題に対して燃えるようなものを持っている人は、長い目で見ると金銭的にも報われます。僕の話でいえば、これまで話したようなスタートアップにいくばくかの投資をさせてもらっています。そしてその投資は、100倍、200倍となって返ってきている。今日明日という時間軸では1円にもならなくても、意志を持っていたら最終的に得られるものは大きいと思うのです。

北野:僕はこれから未来を作れる人の数を増やしたいと思っているんです。過去を見ている人からすると今の日本は終わっているように見えるかもしれない。ですが、未来を作れる人からすると、社会の課題はチャンスに見えるし、世の中は学びだらけのはずです。守屋さんの目にも、そんなふうに見えているだろうと思いました。

守屋:未来はわからないじゃないですか。わからないけれど、「わかる」と信じて突き進む。なぜならば、社会には可能性しか存在しないから。僕は、そんな意志を持った人の背中を押したくて、『起業は意志が10割』を書いたともいえます。

北野:ぜひ、未来を作る人の背中を一緒に押していきましょう! お話できてとても楽しかったです!

構成=佐藤智

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