世界38カ国、800万人が愛読する経済誌の日本版

新規事業家 守屋実(左) ワンキャリア取締役 北野唯我(右)

コロナ禍で多くの業界が大きな打撃を受けた。その一方で、事業を進化させた企業も存在する。その差分とは、いかなるものなのだろうか。

これまでに50以上の新規ビジネスを立ち上げ、『起業は意志が10割』(講談社刊)を上梓した新規事業家の守屋実と、最新刊『内定者への手紙』(キンドル限定版)や『天才を殺す凡人 職場の人間関係に悩む、全ての人へ』(日経BP社刊)など多くのベストセラーを持つワンキャリア取締役の北野唯我が、起業や新規事業に欠かせないものとは何かを語り合う。


コロナ禍なればこそ。ユーチューブライブの企業説明会は「2日で」決まった


守屋実(以下、守屋):僕は今52歳なのですが、大学を卒業してから今日までの30年あまりのビジネスパーソン人生を、新規事業一本で歩んできました。その間に参画させてもらった起業や新規事業は50以上あり、そういった意味では「新規事業家」という職種といえるかもしれません。

もちろん、すべての新規事業がうまくいっているわけではなく、特にこの1、2年はコロナ禍で窮地に立たされた企業の話もよく耳にしました。僕自身も苦心をしましたし、ただ、僕はどんな窮地に立たされても、歩みを止めないことが最も重要なことだと考えています。なぜなら、歩みを止めた瞬間に、どの道、成果は出なくなってしまうからです。

例えば、僕が参画している企業がコロナ禍下、2020年、2021年と2年連続で上場したのですが、ご多分に漏れず、2社とも順風満帆な道のりではありませんでした。特に2021年4月に上場したセルムは、東証一部上場企業の経営者向けの集合研修のサービスを提供していたので、本当に大変でした。その集合研修は、対面研修が100%だったからです。コロナ禍となり、大打撃は避けられないだろうと覚悟をしました。

しかし、死に物狂いで顧客に説明を続け、環境を整備することで、対面研修100%だったものを85%のオンライン研修に切り替えることができました。「東証一部上場企業の経営者」という、これまでオンラインツールとは無縁だった層を、デジタルへ移行することができたのです。


新規事業家で『起業は意志が10割』著者、守屋実

北野唯我(以下、北野):とても面白いです。僕が取締役をしているワンキャリアでも、昨年は大幅なデジタル化が進んだ1年でした。私たちは採用サービスを提供しているのですが、昨年2月に政府からイベント自粛要請が出された時、「これはかなりまずい」と思いました。なぜなら、企業の合同説明会が全て中止になり、その売上全てがぶっ飛ぶからはずだったからです。しかし、僕は自社のピンチ以上に「自分が大学生や大学生の保護者だとしたら、企業情報が得られず絶対に不安だよな」と思ったんです。

構成=佐藤智

PICK UP

あなたにおすすめ