I write about how retailers can determine what customers really want.


多くの企業が現在でも採用している昔ながらの仕組みでは、9~12カ月の製品開発サイクルが必要になる。そうしたサイクルでは、まずは過去のデータを探し、そして、前年の数字を今年に応じて調整する。それから、デザイナーが布地を検証し、パタンナーが型紙を作成し、サンプルを製作し、修正し、再考し……そのあとで、その製品が生き残るか、破棄されるかが決まる。

このサイクルが、さらに多くの製品で無数に繰り返される。デザイナーは、布地の展示会や見本市、ファッションショーに出向いたあとでようやく方針を固める。そのいっぽうで、すでにインスタグラムやフェイスブックでトレンドを目にしている何億人もの消費者は、実際のところ、それを買うまでに6~9カ月も待ちたいとは思っていない。

消費者は今すぐ欲しいのだ。服1着なら20時間もあればつくれることは、エキスパートも認めている。それなのに、デザインと開発のプロセスに何カ月もかかるのだ。さらに、「まちがった製品」をつくっているとしたら、いったいなんの意味があるのだろう?

今回のパンデミックは、さまざまな新しい働き方を加速させた。誰でもわかることだが、同じことを、同じやり方で何度も繰り返しながら、違う結果を期待するのは一種の狂気だ。VOCも、リアルタイムのデータも、予測分析も使わずに闇雲に発注している状況で、昔ながらの店舗の多くが苦境に陥っていることに、なんの不思議があるだろうか?

そうした店は、シーズンが終わった売れ残りの製品であふれ、利益率もますます低くなっている。にもかかわらず、翌年もまた、まったく同じ購買・製造プロセスを採用する。

世界は変わっていないと考えているのなら、目を覚まさなければいけない。競争相手はオンラインプラットフォーム企業であり、彼らは消費者としっかり結びついている。

彼らは、それぞれの消費者個人が求めているものを正確に把握している。そうした企業のインフラは最小限で、デザイン、身体の3D計測、製作、製造、出荷をエンドツーエンドで行っている。こうしたプロセスでは、人間が製品に手を触れさえしないことも珍しくない。こうした顧客中心戦略、スピード、データの巧みな活用の融合こそが彼らの秘密兵器なのだ。

昔ながらの小売事業者は、より柔軟で多様な思考方法や運営方法を採用しなければならない……競争し、生き残るために。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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