現在74歳になるシュワルツマンは、1947年に、ペンシルベニア州フィラデルフィアで日用雑貨店を経営する一家に生まれた。14歳のときに、初めて「芝刈り業」を起業。のちに、イエール大学とハーバード・ビジネススクールで学位を取得した。
その後、1985年にブラックストーンを創業。共同創業者は、ニクソン政権の商務長官を務めたピーター・ピーターソンだった(ピーターソンは、2018年に死去した)。ブラックストーンという社名は、「シュワルツ」がドイツ語およびイディッシュ語で「黒」、「ピーター」がギリシャ語で「石」を意味することに由来する。
ブラックストーンはもともと、合併買収の助言を行う企業だったが、やがて巨大な買収企業へと成長し、2007年にはニューヨーク証券取引所に上場を果たした。シュワルツマンの純資産は、2007年時点で35億ドルだったが、上場以降に急増し、現在に至っている。
ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットが2010年に始めた慈善活動「ギビング・プレッジ」(保有する資産の過半を生前、または死後に慈善活動に寄付することを誓約する活動)に、シュワルツマンは2020年に署名しており、資産の一部をすでに慈善事業に寄付している。英オックスフォード大学に約2億ドル、米マサチューセッツ工科大学に3億5000万ドルを寄付すると誓約済みだ。
さらにシュワルツマンは、多額の私費を投じて、中国の清華大学に全額奨学制の国際関係学修士プログラム「シュワルツマン・スカラーズ」を設立した。世界最古と言われるオックスフォード大学のローズ奨学制度をモデルにした取り組みだという。