今回は、飲食と関わりのある生産者、テクノロジー、教育、クリエイティブ、科学、ホスピタリティ、社会活動家にまで対象を広げ、7つのカテゴリーの選定で、6大陸の34カ国から、年齢20〜35歳の女性24人、男性19人が選ばれた。
この新しいリストに関して、世界のベストレストラン50コンテンツ・ディレクターのウィリアム・ドリュー氏は次のように語っている。
「美食の世界がパンデミックの壊滅的な影響から回復を遂げようと努力している中、飲食に関わるありとあらゆる人を支援し、力づけ、祝うことがこれまで以上に大切になっていると思います。そこで、バスク料理センター、ビスカイヤ地域、そして50ベストの関係者の支援を受けて、このリストを発表することで、美食の明るい未来のために戦う人々を育てること、そしてそのためのプラットフォームを提供することを誓います。50 NEXTを、今の美食のリーダーと、未来のリーダーをつなぐ架け橋にしたいと思っています」
「50ベスト」はシェフ、ジャーナリスト、フーディからなる、匿名の投票者によって選ばれてきたが、この50 NEXTは、自薦・他薦による応募と、アカデミーパートナーであるバスク料理センターの専門家チームにスカウトされた才能の中から検討され、これまでと異なるスタイルで選定されているのが特徴。去年末に募集を行い、約700人の候補者から今回の43人が選ばれた形だ。
バスク料理センターのディレクター、ホセ・マリ・アイゼガ氏は「コロナ禍でもたらされる不確実性と世界的な課題に直面する今、若い才能を支援し、知ってもらうということが不可欠です。来年は、今回のリストに加え、2022年の受賞者と共に、新しい才能を祝うためのライブ・イベントを行う予定です。世界のベストレストラン50でかつてNo.1になったレストラン『ベスト・オブ・ベスト』のメンバーも加わる予定です」と語る。
2021年の受賞者を学校のように「クラス2021」と表記しているのも、若い才能を育てたいという思いの現れと言えるだろう。
リストには、アフリカから5人、アジアから6人、カリブ海から1人、ヨーロッパから18人、ラテンアメリカから7人、中東から2人、オーストラリアから3人、アメリカから8人が選ばれた。29カ国からの選出となったが、出生国別に見ると34カ国に渡り、若者たちが母国を離れた場所でも活躍していることが見て取れる。日本からは、エテの庄司夏子氏が唯一受賞している。