ワクチン需要に伸び悩み、米国の複数都市で予約なしで接種可能に

Mario Tama/Getty Images

ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は2021年4月23日、市が運営する新型コロナウイルスのワクチン接種会場すべてで、事前予約がなくても接種を行うと発表した。予約なしの人でもワクチン接種を行うと発表した都市はこれまでにもいくつか存在し、ニューヨーク市はその最新の例となった。米国では、できるだけ多くの人にワクチンを接種してもらおうとする努力が続けられる一方で、ワクチンの需要が伸び悩む動きも見られる。

デブラシオ市長は発表で、ニューヨーク市に滞在している人はみな、予約不要でワクチンを接種することができ、年齢や居住地は問わないと述べた(同市の在住者でなくても接種可能ということだ)。

ニューヨーク市が発表した前日の22日には、イリノイ州シカゴ市の公衆衛生局が、屋内競技場ユナイテッド・センターなど市内で開設されているすべての大規模接種会場で、翌日23日から、事前予約なしで訪れた人にも接種を行うと発表していた。

シカゴ市公衆衛生局コミッショナーのアリソン・アーワディ(Allison Arwady)はこうした接種方法を始めた理由として、情報格差が存在しているため「多くの人がいまだに予約を取るのに苦労している」と説明した。また、「衝動的に『ワクチンを接種しに行こう』と考える人がいることも把握している」と述べた。

カリフォルニア州ロサンゼルス郡の保健当局も4月22日、大規模接種会場で予約なしの人を受け入れると発表した。ただし、この措置は週明けの月曜日(4月26日)までの予定だ。

また、テキサス州のヒューストン、サンアントニオ、オースティンではすでに、ワクチン接種会場となっている医療機関が、予約なしで訪れた人を受け入れている。

ロサンゼルス郡の保健当局者バーバラ・フェレール(Barbara Ferrer)は次のように述べた。「まだ接種を受けていない人の場合、新型コロナウイルスに感染して死亡する確率はおよそ500分の1だ。しかしワクチンを接種すれば、死亡確率は100万分の1未満になる」

米国では連邦政府と州政府が、現在出回っているワクチンは安全で有効だと呼びかけている。にもかかわらず一部の地域では、ワクチンの供給が需要を上回る事態も起こり始めている。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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