総会自体も昨年に続いてオンラインでの開催となるが、同社は来年は対面のものに戻ることを楽観しているとのことだ。いずれにせよ、関心の的は総会自体ではない。淡々と進む30分の総会はいわば前座で、それに続いて行われるバフェットとマンガーによる3時間半にわたる質疑応答こそメインイベントなのだ。
今年の質疑応答セッションは拡大されることになっており、昨年は欠席したマンガーもロサンゼルスから出席する予定だ。エネルギーやその他の非保険事業を統括するレッグ・アベル、保険事業を管掌するアジット・ジェイン両会長も参加し、それぞれの担当部門に関する質問に答える。バフェットとマンガーは高齢だけに、こうした機会によって株主はバークシャーの後継計画に安心感をもてるようにもなる。
もっとも過去の例に照らせば、この場の価値は必ずしもバークシャーの事業の突っ込んだ分析がもたらされる点にあるのではなく、むしろビジネスや経済についてバフェットやマンガーのより幅広い見解を聞ける点にある。
昨年のバークシャーの運用成績はS&P500種株価指数を下回ったものの、同社資産の1965〜2020年のリターンは年率20%に達しており、累計ではS&P500などの指標よりもはるかに大きなリターンをもたらしている。
こうした成長は課題も生み出している。バークシャーはいまや運用資産数千億ドル、グループ全体の従業員およそ35万人という巨艦であり、この規模になると広範な市場を打ち負かすのはだんだん難しくなってくる。バークシャーはS&P500に採用されている企業のなかでも最大級の企業だ。
それでも、バフェットとマンガーはなお史上最強クラスの投資家である。5月1日はその卓見にふれられる機会になりそうだ。