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(c)Project PLATEAU

いま、日本のまちづくり、そして都市の在り方が、ひとつの計画のもとで大きく変わろうとしている。プロジェクト名は「Project PLATEAU(プラトー)」。国土交通省主導で「3D都市モデル」の整備を進めるプロジェクトだ。

3D都市モデルとは、地図上の建物や地形に高さや形状などを組み合わせ、実際の都市空間をそのままサイバー上に再現したもの。都市の形態をデジタルで再現しているだけでなく、建物ごとの用途や階数、建設年などの仔細なデータが付与されており、さらにその区画における人の流れなど多様なデータを重ね合わせることができる。

プラトー
渋谷駅周辺の様子(PLATEAU VIEWより)

Project PLATEAUでは、全国約50都市の3D都市モデルを整備し、これを活用した都市計画、防災政策の高度化や、都市サービスの創出をめざす「まちづくりのDX」を推進している。具体的にはどのようなことに役立てられようとしているのか。プロジェクトのコアメンバーである国土交通省 都市局 都市政策課課長補佐の内山裕弥に聞いた。

都市の「形」がわかることの意味


3D都市モデルを活用すると、まちづくりはどう変わるのか。想定する1つ目のユースケースとして、都市活動の可視化が挙げられる。

街中のカメラやセンサーが集めた人の流れや時間ごとの密集度などを計測したデータを3D都市モデルに重ね合わせて可視化することで、効果的な空間設計を行うことができる。

例えば、ある一定の時間帯に混雑する空間を割り出すことができれば、混雑を緩和するための動線を敷く空間設計を考えることができる。それにより密を避けた新型コロナ対策を行うことが可能になる。内山は言う。

「他にも、広場に置かれているベンチを実は誰も使ってないことがセンシング技術を用いれば可視化される。そこに賑わいをもたらすために、例えばキッチンカーを置いたらどうかというシミュレーションを、3D都市モデル上で行うことができます。こうしたデータと3D都市モデルでのシミュレーションの掛け合わせは、政策やマーケティングにおいても有効です」

Project PLATEAUが整備する3D都市モデルには、建物の高さや構造、建築資材は何なのかといったデータが、特に建物に関して事細かに格納されている。こうしたデータと浸水想定区域図などの災害リスクデータを掛け合わせることで、いざという時最適な避難場所はどこかを割り出すことができ、自治体と住民が連携して有効な避難計画を立てることができる。防災政策においても極めて有用だ。

ハザードマップ
浸水状況を3D都市モデル上で可視化することにより、より有用なハザードマップを作成することができる(PLATEAU VIEW)

文=河村優

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