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最先端の経済誌「Forbes JAPAN」の記事紹介

共通ビジョンは「“見える”と“見えない”の壁を溶かし、社会を誰もが活躍できる舞台にする」。未来の活動は、ブラインドサッカー国際親善試合をはじめ、視覚障がい者と晴眼者の交流イベント、ユースリーダーシップキャンプ、学校教育へのブラインドサッカー導入、目に携わる医療関係者とのブラインドサッカー連携、スポーツキャラバンホスピタル、アイケアサロン、視覚障がい者の新たな雇用創出。

参天製薬(以下、Santen)、NPO法人日本ブラインドサッカー協会(JBFA)、一般財団法人インターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーションは2020年10月、異例の「10年の長期パートナーシップ」を締結。スポーツ、新たな職業、イノベーションへの参画、視覚障がい者の多様な社会参画を目指して、グローバル企業、NPO、グローバル財団という3者が長期的に提携をした。

Santenの谷内樹生代表取締役社長兼CEO、JBFAの松崎英吾専務理事兼事務局長、ビジョン策定を支援した戦略デザインファームBIOTOPE佐宗邦威CEOにその理由を聞いた。


谷内:20年7月、10年後に向けた長期ビジョンを策定しました。Santenは眼科領域での強みに加え、世界中の技術や組織・人材をつなぎ、社会に価値あるイノベーションをもたらすことで、「見る」を通じた人々の幸せを実現するSocail Innovatorとなることを目指しています。

Social Innovatorとしての3つの戦略の1つに、視覚障がいの有無にかかわらず交じり合い・いきいきと共生する社会の実現、「インクルージョン」を掲げています。ブラインドに向き合うことは、フィランソロピー的な活動ではなく、事業の延長線上にあると考えています。

JBFAやインターナショナル・ブラインドフットボール・ファウンデーションとは手段は違えど目指している未来は一緒なので、スポンサーシップではなく、パートナーシップであるべきではないか、と。

上場企業であるため利益は重要ですが、ライフサイエンス業界で働くみなさんは私を含めて「社会に貢献する」という意識をもっている。いい薬をつくってお届けすることで社会貢献につながり、財務数値と社会貢献が一直線に並んでいる。その思考があるので、企業とNPOというセクターの違いはありますが、垣根は感じない、自然なパートナーシップだと感じています。

松崎:私たち自身も、「我々がゴーイング・コンサーンでいいのか」という問いをもっていました。パラリンピックで勝利することを目的に掲げると、安易に考えると視覚障がい者の人数が多い方がチームとして強くなる可能性がある。強化を目標に掲げること自体がもつダブルミーニングがある。その中で、視覚障がい者が社会でより選択肢をもって生きることが世界に広がり、医療と結びつくような関係にならないといけないという議論をしていました。

Santenにとっても社業の意義を拡張しようとし、私たちもその意義を拡張しなければならないというところで、規模からすると圧倒的な差があるのですが、機能としては埋め合えるのではないかと。描いている未来は同じだが、お互いの強みやコアビジネスがまったく異なり、補完できる余地が多分にあると感じています。10年のパートナーシップだからこそ、「対話」を通してその先を考えることができます。

文=フォーブス ジャパン編集部

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