時代を読む、東京ホテルストーリーNo.8「MUJI HOTEL GINZA」

1室のみの用意された広いツインルーム(TYPE I 52㎡)は余裕のスペースが快適な人気の高い客室。(Photo: ナカアンドパートナーズ)


 
石と木で作られたシンプルでスタイリッシュなロビーのカウンター。エレベーターを降りるとみぎに「ATELIER MUJI GINZA」、左にホテルのレストラン「WA」。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

入り口はレンガ通り沿いがホテル独自の入り口であり、1本隣の並木通りに面した無印良品店舗からも入ることができる。

ホテルのフロントとレストラン「WA」のスペースは広く、このロビーエリアは気持ちのいい空間だ。客室は7~10階に全79室が揃う。

 
ホテルレストラン「WA」はふるさとの味を提供。写真は昼食の「ごぜん」のひとつ「おさかなととり天おぜん」(1450円)。現在、朝食の提供は土日祝のみ。平日の朝食はチェックイン時に受け取った朝食権を持って1階のベーカリーまで降り、パンを2種選んでレストラン「WA」でコーヒーやジュースなどとともに楽しむ形。(夕食は休業中)(Photo: MUJI HOTEL GINZA)

パブリックスペースとしては、前述のレストラン。さらにホテルフロントと同階に「ATELIER MUJI GINZA」(2つのGalleryとコーヒーやお酒の飲めるSalon、古書や希少本まで揃うLibrary、イベントスペースのLounge)も広がっている。

 
ロビー階と同じフロアにある「ATELIER MUJI GINZA」の「Salon」にはバーカウンターが。こだわりのコーヒーや紅茶、クラシックなカクテルも。本棚に並ぶデザインやアートなどの書籍と共に楽しめる。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

客室内はさすがに家具や調度品、食器類など、ほぼ無印良品の商品が用いられている。さらに、無印良品 銀座と同じビル内にあるために、世界一の旗艦店で品揃えの整ったショップで買い物が楽しめる。

1階から5階までを占める店舗には、食料品からライフスタイルのアイテム全般がオリジナル品として並び、ホテル滞在とショッピングの醍醐味は切っても切り離せそうにない。

また地下には、身体に優しく、食べておいしいと謳う「素の食」を楽しむレストラン「MUJI Diner」があり、各地の食文化や調理法に学び、自然の味を引き出せるよう、できる限りシンプルに調理した旬の料理が提供されている。

ホテル滞在、ショッピング、グルメという現代人の求める必須アイテムが館内で揃うのは、前述のコンセプト「アンチゴージャス、アンチチープ」にも集約されているように思える。

そしてもうひとつ、生活必需とは違う、アカデミズムを刺激する「ATELIER MUJI GIINZA」の存在も嬉しい。アートの展示会や「叡智」に触れるイベントが展開される。
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文=せきねきょうこ

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