時代を読む、東京ホテルストーリーNo.8「MUJI HOTEL GINZA」

1室のみの用意された広いツインルーム(TYPE I 52㎡)は余裕のスペースが快適な人気の高い客室。(Photo: ナカアンドパートナーズ)

男女を問わず、社会で活躍するエグゼクティブたちは、魅力溢れる東京のホテルをどのようにお使いだろう。

せめて月に一度くらい、可能なら二度でも三度でも、誰にも邪魔されず、両手を伸ばして深呼吸をするために滞在するのはどうだろう。

東京のホテルは、時に伝統文化や江戸の粋が活かされ、また時には、都会らしい最鋭設備を纏うなど、それぞれが個性的に進化を遂げている。

ゆったりと異空間に身を委ね、すべてを忘れて過ごす癒しの時間。まずは週末、金曜日の夜にチェックインして、日曜の午後まで、別宅で過ごすように、自分独りで夢想に浸るのも今どきの流儀であろう。

ホテルジャーナリスト せきねきょうこ


高級ブランド店や老舗、高級ラインの飲食店などが立ち並ぶ銀座の真ん中に、「アンチゴージャス、アンチチープ」をコンセプトにしたホテルが、2019年4月4日に開業した。

コンセプトから読み解けるものは何か、泊って体感し見えてきたことが幾つもあった。とにかく興味津々、「日本初、無印良品の思想を体現するホテル」の魅力を紐解こう。

まず「無印良品の思想」とはどんなものだろう。良品計画のホームページによると、「無印良品」は、海外・国内合わせて合計1029店舗(2020年8月現在)もあると言うから驚きだ。

その世界展開もしている小売企業と、商業施設やホテル運営会社である気鋭のUDS株式会社がつくりあげたのが「MUJI HOTEL GINZA」である。


単独店舗として世界最大の旗艦店「無印良品 銀座店」、6階からのホテルにも直結。「無印良品 銀座」が1~5階、レストラン「MUJI Diner」が地下1階。(Photo: ナカサアンドパートナーズ)

無印良品は様々な視点から幾つかの社会的な提案が掲げられている。中でも、「美意識と良心感を根底に据えつつ、日常の意識や、人間本来の皮膚感覚から世界を見つめ直すという視点で、物の本質を探求していく。そして『わけ』を持った良品によって、お客様に理性的な満足感と、簡素の中にある美意識や豊かさを感じていただく」というのが企業理念の核となる「無印良品の思想」だ。

これを知ることで、まずは「MUJI HOTELGINZA」を知る第一歩ともなるはずである。

ホテルは、無印良品の大型である世界旗艦店『無印良品 銀座』の開業と共にドアを開けた。
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文=せきねきょうこ

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