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2021.05.03 08:00

3年以内に日本中へ。Luupがつくる新たな「短距離移動インフラ」

投資家 中路隼輔(左)と起業家 岡井大輝(右)

2021年までに世界中で5億回の利用が予測されている、電動キックボードのシェアリングサービス。日本では、Luupが20年5月から、東京都渋谷区、目黒区、港区、世田谷区、品川区、新宿区の6エリアの一部で、電動アシスト自転車のシェアリングサービスを開始。次のステップとして、電動キックボードのシェアリングの実現。その先に、新しい電動マイクロモビリティの導入を目指している。

Luupは、代表取締役社長兼CEOの岡井大輝が18年7月に創業。電動・小型・一人乗りのマイクロモビリティのシェアリング事業を通して、日本に「新しい短距離移動インフラ」の創造を目論む。

そのLuupに創業直後の18年10月から投資をしているのが、中路隼輔がプリンシパルを務めるANRI。なぜ、中路は、岡井率いるLuupに投資をしたのか。


中路:印象に残っているのは、最初のミーティングから3日後の議論。最初のミーティングでは、岡井さんもモビリティ事業にピポットしたタイミングで、「日本版マイクロモビリティとは」「短距離移動とは」という大きなテーマについて議論しました。

僕は投資判断の基準として、最初の議論でどのくらい盛り上がるか、を大事にしています。2時間近く楽しく議論した記憶があって「合うかも」とは思っていました。ただ、3日後に、岡井さんから連絡があり、当初の議論を「(短期間で調べて)ここまではわかっている」と整理し、より具体的で、かつ、精密にアップデートした資料をもとに、再び議論をしました。ここまでやる起業家はいない。

VCが立ち上げるべき新たな産業領域で、かつ、その気合と熱量、打ち手の多さとやりきる力をもつ起業家だと思い、投資をしました。

岡井:3日間はほとんど寝ていない(笑)。世界的に需要がある事業領域だからこそ、実現可能性をいかに証明するか。自分たちに懸けてもらうには、「出力」を証明する必要があると。

前回議論した内容をいかに速く、ハイクオリティで返答するか、しかその出力の術を思いつかなかった。速攻ですべての論点をつぶしました。ネットでググるではなく、例えば、中国の工場に原価を確認するなど可能な限り行いました。

中路:投資直後に一緒に行った米国でのリサーチもすごかった(笑)。電動キックボードのシェアリングサービスがどのように使われているか、を見るためにサンフランシスコ、ワシントンDCに3泊4日の弾丸スケジュールで行きました。僕も朝から晩まで手伝いましたが、走行レーンで走っている人たちを止めて200人近くにアンケートしました。
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文=山本智之 写真=平岩 享

この記事は 「Forbes JAPAN No.079 2021年3月号(2021/1/25発売)」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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