放送作家・脚本家、「くまモン」の生みの親。

フレンチの巨匠ジョエル・ロブションがいちばん感動した日本料理は「たこ焼き」だった、という話がある(真偽は定かではない)。たこ焼きのまんまるの形に驚き、つくり方を知りたがったらしい。シェフという人種は、人をあっと驚かせる新鮮な仕掛けや食材の組み合わせがないか、常日頃から目を皿にして探しているのだろう。

東京・広尾にあるマルゴット エ バッチャーレの加山賢太シェフが発案した「キャビア最中(もなか)」も、一般人には思いも寄らない絶妙な組み合わせだと思う。ブリニ(そば粉入りパンケーキ)に包むのとは違うキャビアの新しい食べ方を考えていた加山さんは、明治屋でレジ横の陳列棚に並ぶみたらし団子や最中を見てピンと来て、急いで最中の皮を取り寄せたそうだ。

「企画」を考えるのも同じこと。AとBを掛け合わせたらどうなるか。CをDの用途や方法論として考え直したらどうなるか。僕は年がら年中考えている。そのためには億劫(おっくう)がらずにどこにでも足を運び、人に会い、その話に耳を傾け、新しい料理を出されたら嬉々として食べる。大事なのはフットワークの軽さと好奇心。活躍しているシェフほど、生産者に会いにいったり、他店の料理を食べにいったりしているので、これは絶対に正しいと思う。

「人を慮る心」がここにもある


昨年(2020年)、京都市の情報発信拠点「京都館」の館長を務める僕のところに、京都市から「ふるさと納税の返礼品を考えてほしい」という依頼があった。そこで、京都芸術大学の准教授であり、京都伝統文化イノベーション研究センターのセンター長も務める酒井洋輔さんに協力をお願いし、YouTubeチャンネル「京都館会議」も開設して、返礼品のアイデアを練っている。

例えば、芸能界屈指のカレーマニアである小宮山雄飛さん(ホフディラン)が開発する「京やさいカレー」。京都のレストランの協力をあおぎ、持参すると店の裏メニューが食べられる「京都裏メニュー丼(どんぶり)」。そんななかで異彩を放つのが、「京都100年かるた」だ。

これは京都芸術大学空間演出デザイン学科に所属する学生が1年次の「新しい京都の地図をつくる」という課題からヒントを得たもので、京都で100年以上続く老舗や場所を学生自ら取材をし、その魅力や本質を伝えるかるたを制作している。それを完成させたら、立派な返礼品になるのではないかと。

写真=金 洋秀

PICK UP

あなたにおすすめ