女性だけに関連性?
この研究では、新型コロナウイルスへの感染に関連があるとみられる症状を報告することにより、有用な関連情報を入手できるアプリ「The Covid-19 Symptom Study」を利用する成人が入力したデータを分析。サプリメントの日常的な接種と感染リスクとの関連性について調べた。英国のユーザーは、約47%が定期的にビタミンを摂取していた。
研究チームは、プロバイオティクス、オメガ3脂肪酸、マルチビタミン、ビタミンDを摂取していた人は、感染のリスクがそれぞれ14%、12%、13%、9%低いとみられることを確認。だが、こうした傾向がみられたのは、女性だけだったという。持病や食生活など、結果に影響を及ぼす可能性がある要因を考慮しても、結果は変わらなかった。
米国とスウェーデンでも結果は以下のとおり、英国とほぼ同様だった。
・プロバイオティクス:18%/37%減
・オメガ3脂肪酸:21%/16%減
・マルチビタミン:12%/22%減
・ビタミンD:24%/19%減
この研究結果は観察に基づくものであり、接種量やサプリメントに含有される成分についての具体的な情報が収集されておらず、データが利用者の自己申告に基づいていることには、注意が必要だ。つまり、結果が示すのは、よくても相関関係だということになる。
レイ教授は、「この研究は、サプリメントが新型コロナウイルスに対してどのような役割を果たすかについて、答えを出すために設計されたものではない」と指摘。明確な結論を導き出すためには、より厳密な研究が必要だと警告している。
世界保健機関(WHO)も今のところ、ビタミンD、C、亜鉛といった微量栄養素のサプリメントが、新型コロナウイルス感染症の治療に有用であるとの見方は示していない。