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河瀨会長は五輪公式映画監督としての視点も加え、期待を口にする。



「私はオリンピックの公式映画監督として、色々な競技団体にアクセスしました。33競技ある中から、(W杯やプロ大会などでなく)五輪に注力している競技、ソフトのようにパリ大会で外れてしまった競技、今大会で初めて採用された競技など、時代の転換期の記録として残さなくてはならない競技について、スポーツ全体を表現するというよりも五輪の記録ということにフォーカスしました。

この記録映画はIOCに未来永劫残ります。五輪に関わる人たち、そして100年先のスポーツにとっても稀有な記録になるはずですから、この映画の意義を説明しながら取材交渉にあたりました。

その中でいくつか、花形というか、100年前から五輪にあったような競技でさえも、現役アスリートへの密着を一切許されませんでした。選手たちの所属先がOKでも、連盟が承認していないと取材を受けられませんというスタンスが一貫してあって、東京2020の公式映画に他でもない日本人選手の記録が残らない。私としてもスポーツ業界としても、またアスリートたちにとっても、非常に残念なことです。

東京五輪では、政府や組織委員会の指針、ルールブックの公表も遅れたので、各競技団体がいかに判断し、大会に向けて選手をどのように強化・調整していくか、いわば資質が試されたと思うんです。ルールに則った枠組みに従うのがアスリートのために正しいのかどうか、本当に考える機会となりました。

私は妙子さんが仰る人間力がカギになると思っていて、決定権を持つ立場の人がリスクを回避するだけでなく、責任を取る覚悟を持って、選手が輝く場を確保できるかどうかが大切だと思っています。人と人との関係で生まれるものに注力することが、結果的には強い選手、そして人生の金メダリストが生まれていくということにつながると思うからです。

実はバスケットボール協会は古い体質だったので、最初は全く開かない扉だったんですけど、最後には一緒に歴史を見つめられる位置で取材させてもらいました。妙子さんの魂が入ったソフトボールの皆さんも、そのエネルギッシュな笑顔で私達を元気づけてくれました。合宿に始まり、非常に素晴らしい金メダルまでの歩みを記録できたと自負しています。

こういったスポーツにとって実は最も重要なところを、自分たちの競技団体だけで抱えてしまうのは非常にもったいないことで、連携してどんどん進化していったらいいんじゃないかと思います」

岡島チェアは早速こう提案する。

「各競技団体に別のスポーツから理事などを出すのもいいですよね。特に女性。『女性理事を入れようとしてもなかなかいない』ではなくて、他の団体から登用していけばよいと思います」

文=大島和人 編集=宇藤智子

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