サブスクもデリバリーも。 行かなくても楽しめる百貨店サービス3選

百貨店のサービスは、ここまで進化していた(Shutterstock)


所有や消費への意識が変化しつつある現代では、百貨店業界も今後変革を求められていくだろう。真のラグジュアリーはサステナブルであるべきだという、先駆的なモデルになっていくにちがいない。

行列グルメを並ばずに デパ地下の330品をデリバリー


そごう・西武は、「デパ地下グルメお届け便e.デパチカ 西武池袋本店」のサービスを2月末から開始した。

このサービスはデパ地下グルメをオンラインで手軽に注文し、自宅で楽しむことができるものだ。コロナ禍での外出自粛により、Uber Eatsや出前館など、飲食物の宅配サービス需要が増加した。店舗での売上げ減少を余儀なくされている時世において宅配事業に乗り出した同百貨店。宅配サービスとしては後発だが、飲食店の垣根を越えて注文ができる利便性から、サービス開始の最初の1週間で400件近く、その後も1日平均65件以上もの注文が入る好調ぶりだという。

和・洋・中華惣菜、弁当、スイーツ、チーズ、ワインなど、デパ地下に揃う約90ブランド330種の商品をブランド問わず一括で注文できる。「前菜にRF1のサラダセットを買って、デザートには梅園のあんみつを」といったデパ地下ならではのわがままを、フロアに行かずとも叶えることができる。

そごう・西武
現在は出前館のシステムからの注文方式だが、今後は注文システムの内製化も行うという(写真=PR TIMESから)

当日即配や日時指定予約注文も可能で、宅配は送料(500円)を除く税込1500円から。対象地域は、豊島区全域、板橋区・北区・新宿区・練馬区・中野区・文京区の一部に限られる。注文は午前9時45分から午後6時半まで受け付け、午前11時から午後8時に配達される。

ある時は、急な来客へのおもてなしのためだろうか、注文受付開始の数分後にキャビアやワインなど計3万円以上の注文が即配で入ったという。こうしたシチュエーションへの対応が可能なことも、百貨店ならではのサービスといえるだろう。

さらには店舗では行列必至の人気スイーツも、e.デパチカを使えば列に並ぶことなく購入できる。例えば、華やかな見た目から手みやげとしても人気クッキー菓子の「TOKYOチューリップローズ」など、「あの人気商品をわざわざ手に入れてくれたのか」と贈る相手からの評価が上々になる光景が想像できる。

野間は「開店前に入る注文などは、このサービスをやっていなかったら取れなかった需要です。そういった意味でもお客と百貨店に新しい接点ができるサービスで、かなり好調のようです」と語る。

非接触採寸で自分だけの「シンデレラフィット」を


三越伊勢丹が展開する「YourFIT365(ユアフィット365)」は、3D計測機を用いて測った足型データをもとに、三越伊勢丹の商品の中から自分の足にフィットする「シンデレラシューズ」を見つけることができるサービスだ。YourFIT365のサービス自体は2019年から始まり、今年2月から「YourFIT365 Trial」もリリースされた。

本誌Web編集部でもこのサービスを利用し「百貨店らしい細やかな接客とテックの掛け合わせに驚いた」との声が上がっていた。
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文=河村優

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