インドを襲う医療用酸素の圧倒的不足、供給より物流に問題

Ajay Aggarwal/Hindustan Times via Getty Images


酸素ガスの輸送が簡単ではないことは、供給における大きな障害となっている。高圧ガス容器(ボンベ)は、陸路でしか輸送することができない(酸素濃縮器であれば、空路での輸送も可能)。高圧医療用酸素ボンベが生産されていない北部、西部の州での需要の急増に対応するには、これまでにない長距離の輸送が必要となっている。

さらに、高圧ガスを充填する容器、極低温タンクの生産量をすぐには増やせないことも、大きな問題だという。ジェインはタンク1本の製造には4〜6カ月かかるとして、「これほど需要が増したことはない」「考えられる解決策のひとつは、インド空軍に依頼し、空の(充填していない)のタンクを生産拠点に運んでもらうことだ」と語る。

ジェインによると、インド政府は昨年4月、医療用酸素の供給に対応するための委員会を立ち上げた。それ以降、国内のすべてのメーカーは毎日連絡を取り合ってきたという。ジェインは現在の状況について、次のように述べている。

「業界全体が多くの面で、供給のためにしっかりと対応してきた。だが、このウイルス(の感染拡大のスピード)について行くためには、まだまだすべきことが非常に多い」
「もし手に負えないのであれば、もうどうすることもできない。他のどの国もこうした状況を経験することがないよう、ただ願うばかりだ」

記事=Katie Jennings & Aayushi Pratap 編集=木内涼子

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