ビジネス

2021.04.28

ハイテクと美容サービスの融合、アマゾンが初のヘアサロンを開店

(c) Amazon


このサロンは、実に絶妙なタイミングでの開店となった。英国では今、カットやカラーリングの予約を取るのが非常に難しいからだ。これは、新型コロナウイルスの感染防止策として全土に施行されていたロックダウンの余波で、理容室や美容室はどこも予約がいっぱいだという事情によるものだ、特に人口が多いロンドンは、この影響が最も深刻な街のひとつだ。

新型コロナウイルス感染防止を目的とした英国における現行の規制に従い、アマゾンでは、スタイリングを行う各ブースの間にパーティションを設置するほか、店を訪れるすべての顧客に無料でマスクと消毒剤を提供し、体温チェックも行う。

また、地元の有名ヘアスタイリストで、ネヴィル・ヘア&ビューティー(Neville Hair & Beauty)サロンのオーナーでもあるエレナ・ラヴァーニ(Elena Lavagni)が、顧客にヘアケアやヘアスタイリングなどのメニューを提供する。

「このプロジェクトの一員になれたことをうれしく思っている。このサロンは、これまで美容院で提供されてきたサービスをテクノロジーと融合し、お客様に唯一無二の体験を提供する」と、ラヴァーニは述べた。「テクノロジーを愛し、同時に髪のことについては天性のセンスを持つ、創造性豊かなスタイリストからなるチームは、すべてのサービスにおいて、顧客本位の姿勢を貫いてくれるはずだ」

「私たちは、この業界での40年にわたる経験を生かし、このサロンの実現を後押しした。そのことを誇りに感じている」と、ラヴァーニはこのサロンへの思いを語った。

現時点では、今回オープンするロンドンの店舗以外に、アマゾン・サロンを開業する計画はない。しかしこのサロンは、アマゾンが英国に着々と地歩を築いていることを示すものだ。英国アマゾンは、キャッシュレスの食品スーパー「アマゾン・フレッシュ」1号店を2021年3月にオープン。4月15日には3号店もオープンしたばかりだ。

自ら創設した人工知能(AI)技術のスタートアップEvi Technologiesをアマゾンに売却し、アレクサの誕生につなげたウィリアム・タンストール=ペドー(William Tunstall-Pedoe)は、こう述べている。「アマゾンが参入しない事業分野など存在しないのではないか──私は真剣にそう考え始めている」

翻訳=長谷睦/ガリレオ

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