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バウンドレス・イミグレーションCEOのシャオ・ワン(c)boundless

移民たちを支援するソフトウェア「バウンドレス・イミグレーション(Boundless Immigration)」の共同創業者でCEOのシャオ・ワンは自らの経験をベースに、このツールを生み出した。彼の両親が中国の南京から米国に移住したとき、幼かった彼は一緒に渡米できず、親戚の家に預けられた。

彼は3歳のときに渡米し、アリゾナ州立大学で学ぶ両親と一緒に暮らすことができた。息子を米国に帰化させるため、両親は家賃5ヶ月分に相当する金額を弁護士に払い、仲介業者への支払いで貯金をほぼ使い果たしたという。

ワンはバウンドレスを通じて、米国への移住を目指す多くの人を支援している。移民の手続きは複雑で、その申請プロセスは透明性が欠如している。

バウンドレスは、2017年にワンとDoug Rand、Serdar Sutayによって設立された。同社は、これまでに7万人のビサや市民権の取得を支援したという。このうち1万人は、同社が9月に買収したRapidVisaが支援した人数だ。Wangによると、両社を合わせると、この12ヶ月で1万人にサービスを提供したという。

バウンドレスは先日、Foundry Groupが主導したシリーズBラウンドで2500万ドル(約27億円)を調達したことを明らかにした。このラウンドには、故スティーブ・ジョブズの妻のローレン・パウエル・ジョブズのEmerson Collectiveや、ヤフー創業者のジェリー・ヤンが設立したVCのAME Cloud Ventures、既存株主のForefront Ventures、Industry Ventures、Pioneer Square Labs、Trilogy Equity Partners、Two Sigma Venturesらが参加した。

ワンは新たに調達した資金で、従業員数を現在の130名から約400名に増やす予定だという。

バウンドレスのサービスの料金は定額で、数百ページに及ぶ移民申請書類を電子化している。同社は、米国人との結婚による永住権申請や他の市民権に関わるサービスを提供しており、移民専門の弁護士をユーザーに紹介する。現在は、米国への移住申請にしか対応していないが、今後は対応する国や言語を増やす予定だという。ワンによると、同社のサービスを利用した場合に移民申請が承認される確率は99.7%以上だという。

ワンは、スタンフォード大学を卒業後、2014年にハーバード・ビジネス・スクールでMBAを取得した。彼は、マッキンゼーやニューヨーク市教育局を経て、アマゾンのシアトル本社でシニア・プロダクト・マネジャーを2年以上務めた後、起業を思い立ったという。

共同創業者のRandは、現在米国科学者連盟でシニア・フェローを務めている。彼は、オバマ政権下でホワイトハウスに勤務し、科学技術政策局で起業家たちを支援していた。Randは、2019年までバウンドレスのプレジデントを務め、現在はアドバイザーとして同社の事業を支援している。

編集=上田裕資

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