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2021.04.27

ニューヨーク州の大麻合法化で勢いづく業界、社会への影響は

Getty Images

米ニューヨーク州では2021年3月末、成人による嗜好品としての大麻の使用が合法化され、自家用大麻の栽培や、喫煙が許可されている公共の場での大麻吸引が可能となった。いずれは、エディブルと呼ばれる大麻入り食品や、たばこ状に巻いたプリロールなど、向精神作用のある大麻製品が店頭販売されるようになる。

ニューヨーク州は、嗜好品としての大麻を合法化した全米15番目の州(ワシントンD.C.を含む)として、急成長する大麻市場に仲間入りする。大麻業界専門データ分析企業ニュー・フロンティア・データによると、現時点で大麻使用が認められている州では、2025年の合法大麻の総売上が300億ドル近くに達する見込みだ。

ニューヨークに暮らす人々は、合法化をおおむね前向きにとらえながらも、大麻に対して警戒心も抱いているようだ。消費者行動調査会社MRIシモンズ(MRI-Simmons)が、合法化前にニューヨーク州在住の18歳以上を対象に実施した「2021年全米大麻調査(National Cannabis Study)」では、合法大麻の売上は手堅い税源となり、医学的な利点も得られると考える人の割合が約4分の3に上った。

一方で、大麻を不適切な方法で使用した場合には健康に害となるという回答も4分の3に上ったほか、63%の人が、大麻による全般的な悪影響を心配していると回答した。

大麻に関連した社会的正義と刑事司法制度の改革に関した設問として、大麻に関連して行われた過去の犯罪や逮捕歴の記録抹消について意見を聞いたところ、賛成するという回答が63%を占めた(大麻をめぐっては、少量の大麻所持で有色人種が逮捕される確率が高いなど、犯罪の立件で人種格差が存在すると指摘されてきた)。

調査に参加したニューヨーク州在住成人の57%は、合法なのであれば使ってみたいと回答した。
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翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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