ビジネス

2021.04.28

収益化できるビジネスモデルの作り方、ホロライブができるまで|カバー 谷郷元昭CEO#2

カバー 谷郷元昭CEO

コンピュータグラフィックスのキャラクターをYouTuberとして動画投稿を行うバーチャルユーチューバー(VTuber・ブイチューバ―)事務所「ホロライブプロダクション」を運営し、「日本発のバーチャルタレントIPで世界中のファンを熱狂させる」ことをビジョンに掲げるカバー。2020年5月にはDIMENSIONからの出資を含め、総額約7億円の資金調達も発表した。同社の急成長を牽引する代表取締役社長CEOの谷郷元昭(たにごうもとあき)氏に、起業家の素養や事業成長のポイントなどについてDIMENSIONビジネスプロデューサーの伊藤紀行が聞いた。(全3話中、第2話)

第1話 Vtuber市場で頭角を表すホロライブ、起業の原点は得意領域で戦うこと|カバー 谷郷元昭CEO #1


「本物の起業家コミュニティ」を探せ


──創業期の仲間づくりが大事というメッセージのようにも思います。どのようにして仲間の輪を広げていかれたのでしょうか?

前回の起業の失敗要因の一つとして「コミュニティに入らなかったこと」がありました。学習塾と同じで、ライバルがいるからこそ刺激をもらいながら成長できるという側面があるからです。

なので私は40代のおじさんですが、20代の若い起業家が集まるコミュニティに無理を言って入れてもらいました。具体的には、起業準備期間をVCが運営するシェアオフィスで過ごしたのです。

本当に部室のような空間で、朝行くと寝袋で寝ている人がたくさん転がっている。「おじさんが来る場所じゃない」と何度も言われましたが(笑)、とにかく本気で世の中を変えたいと信じるハングリーな起業家が集まる空間でした。

悪戦苦闘しながらも創業アイディアを捻り出せたのは、そんな空間で過ごせたことがポイントだったように思います。

──ベンチャーコミュニティの中に入ると、華やかな側面に目を奪われてしまう側面もあると思います。

コミュニティに入る、と言うと誤解される可能性もあるので補足しておくと、起業家と投資家のマッチングイベントなどに参加して多くの人と仲良くしろという意味ではありません。

カンファレンスなども起業家にとってはプレゼンテーションの場であり、登壇依頼が無い限り自分から参加する必要は無いでしょう。

先ほどのシェアオフィスも、同じオフィスにいるからといってみんな仲良しというわけではありません。華やかさとは真逆の世界で、歯を食いしばってライバルとして刺激しあい、互助的な関係を築ける「本物の起業家コミュニティ」に入ることが重要なのです。
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文=伊藤紀行 提供元=DIMENSION NOTE by DIMENSION, Inc.

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