スタートアップ企業のデータベース、クランチベースによると、調達額は120万ドル。同社はベーグルなど、炭水化物が非常に多くを占める食品の「栄養成分の構成を変える」技術を開発している。
出資したのは代替肉のインポッシブル・フーズや代替卵のイート・ジャストなどを支援してきたベンチャーキャピタルのバーソ・キャピタル、ファストフードチェーン「ウェンディーズ」の創業者の孫ショーン・トーマスなど。
その他、女優のエミー・ロッサム、実業家のアンドリュー・ヤンが創設した非営利団体「ベンチャー・フォー・アメリカ(VFA)」の暫定CEOも務めたファッションブランド「マーサー(Mercer)」の共同創業者、ドリー・スミスなども出資している。
ベターブランドが米国内の一部の小売店とオンラインで販売を開始する「ベター・ベーグル」は、含まれる炭水化物の量がオレンジ半分、またはバナナ2切れとほぼ同じ量だという。
「大きな変化」を起こしたい
起業は初めてのヤンCEOだが、すでに「成功」は体験してきている。シカゴで公認会計士として働いた後、アーンスト・アンド・ヤングのニューヨーク事務所で訴訟コンサルタントとして勤務。ペンシルベニア大学ウォートン校で戦略的経営と起業について学び、MBAを取得した後、インドでグローバルな人材ハブを構築する業務に携わった。
だが、ヤンはこうして暮す中でも常に、「バランスの取れた食生活」を実現することに苦労してきたという。そして同時に、食品業界に革命を起こし、それによって「大きな影響を及ぼす」という野心を持ち続けていたという。
ヤンは筆者の取材に対し、健康的な食事を実現することにどれほど難しさを感じていたか、どれほど大きな変化をもたらしたいと考えてきたかについて、次のように語っている。
「健康のため、食べたいものを食べてはいけないと思うことは、常に気持ちの上での闘いでした」