ビジネス

2021.05.06

地域の魅力を再定義。逗子から始まる官民連携ワーケーション

逗子市 桐ケ谷覚市長(左)と戸田建設 加反達也氏(右)



ON/OFFice ZUSHI 3階ワークスペース(左)、1階共同キッチン(右)

魅力的なスポットに容易にアクセスできる好環境も含めて施設の魅力に


ON/OFFice Zushiは地元の工務店協力のもと、まずは2階と3階を改修。海のイメージからブルーを基調とし、北欧調の什器や植物などが配置された。2階にはカフェ風カウンターとテーブル、ソファの全10席、3階には机が置かれた全15席を用意。周囲が低層の建物につき、3階の窓から空が拝めるのも適度なリフレッシュを生むと言える。

1階には共同キッチンも完成し、簡単な調理や、近くの飲食店からケータリングを頼んで食するといった使い方もできる。2階、3階とは一味違った団らんスペースになっている。


逗子海岸

JR逗子駅から徒歩10分以内と立地も優れている。逗子海岸までも7分で、海の向こうには富士山が聳え立つ。穏やかな波のエリアにつき、SUPに興じたり、砂浜でフレスコボールで体を動かしたりすることができる。西に位置するため、沈みゆく夕陽を見届けることもできる。


披露山公園

バスやシェアサイクルを使い、江ノ島や富士山が一望できる披露山公園に向かうことも可能。オフィスや自宅にいては体験できない環境に容易にアクセスできるのが大きな魅力だ。

「古い建物をリノベーションできたことも大きな成果です。土地や建物を所有する方々にとってもこの事例は可能性を広げることになるのでは」と桐ケ谷市長も太鼓判を押す。

それは他の自治体にとっても同じようだ。ON/OFFice ZUSHIを立ち上げたことで、戸田建設には多くの問い合わせが来ているという。「まだ実証実験の段階ですが、産官民連携し、地域一体となったワーケーションスタイルを確立させたいです」と加反氏。

ワーケーションのありかた


同施設のほか、逗子には現在ワークスペースが7つ存在する。戸田建設の手がけるON/OFFice ZUSHIは法人向け(一棟借り)、その他の施設は個人向けのため、規模に合わせて選ぶことができる。



桐ケ谷市長は「これまでのようにオフィスに出社する働き方と、首都圏を2-3日で移動する中短期のワーケーションが定着になるのでは」と見るなか、トライアル期間も設けて法人、個人それぞれにワーケーション利用をアプローチしていきたいとしている。

加反氏も「各地域に新しい人の流れをつくることができれば、日本全体の活性化につながると考えます。そのためにもワーケーションという新しい働き方を浸透させることが必要です」と説く。

官民それぞれの挑戦は始まったばかりだ。

文=佐藤 奈津紀

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