昨年末にブロッサム・キャピタルとインデックス・ベンチャーズから2000万ドル(約21億7000万円)を調達したDijaは、自社のフルフィルメントセンターに保管されたドリンクやパン、スナック類、冷凍食品などの食料雑貨を10分以内に届けることをアピールしている。
Dijaは都市の近隣に小さな倉庫を戦略的に配置し、ロンドンのサウスケンジントンやフラム、ハックニーなどのエリアでサービスを開始した。パリでは、モンマルトルとマレ地区を対象エリアとし、マドリードでは都市部の80%をカバーすると述べている。今後数週間のうちに、さらに多くのフランスとスペインの都市でサービスを開始する予定という。
CEOのアルベルト・メノラスキーナは、「フランスとスペインは、我々の拡大プロセスの最初のステップだが、すでに複数の新しい市場への準備を進めている。Dijaは、世界中の何千万人もの顧客にサービスを提供するグローバル企業を目指している」と述べた。
同社は英国では、近日中にケンブリッジでのサービスを開始する。Dijaが掲げる「10分以内のフードデリバリー」というスローガンは、珍しいものではない。ヨーロッパでは昨年、パンデミック時にフードデリバリーの需要が高まったことを受けて、10分または15分以内に商品を配送することを謳う新興企業がいくつも誕生した。
ベルリン発のGorillasは3月に2億9000万ドルを調達し、創業から1年足らずで評価額が10億ドルを超えるユニコーンに成長した。食料品を含む2000以上のアイテムを10分以内に届ける同社には、Coatue ManagementやDST Global、テンセントらが出資している。
ロンドンのJiffyやWeezyなどのスタートアップ企業も、資金調達額は少ないものの、野心の点では負けていない。
また、Glovoのような老舗企業も、「ダークストア」への投資を通じて超高速配送に参入しており、トルコのGetirは最近、競争の激しいロンドン市場に進出した。
Dijaのメノラスキーナによると、この背景には消費者の需要の高まりと迅速なデリバリーへの高い期待があるという。
「世界のどの都市においてもフードデリバリーが抱えている課題は同じだ。私たちのハイパーローカルなアプローチは、最先端のテクノロジーを活用し、その課題を解決していく」とメノラスキーナは話した。