ビジネス

2021.04.22

ビジョナル、今年初のユニコーン上場 南壮一郎が語ったDX事業の未来 

上場会見に登壇した代表取締役社長の南壮一郎と、執行役員の末藤梨紗子


国内採用市場の草分け的存在を目指す上で、ビズリーチと共に柱に据えるのは、人財活用プラットフォーム「HRMOS(ハーモス)」だ。ハーモスはデータ連携を通じて従業員の生産性向上を支援する人材管理クラウドだ。

「日本の労働生産性の低さの原因は、情報技術を全ての業務プロセスのなかで活かすことが遅れているから。これまでの終身雇用、年功序列といった働き方は製造業にとって非常に有意義な働き方であり、この国の底力となったものだと思います。ただしGDPを見てみると現代では約8割が3次産業となっています。90年代からアメリカが3次産業を中心とした柔軟な働き方にギアチェンジしたように、日本も転換の岐路に立たされている。いまの時代、そして経済に見合った働き方を各企業が作っていくことが求められる」

さらにHR Tech分野以外での新規事業の創出にも力を入れる。具体的にはM&A領域のDXにより、譲渡企業、譲受企業、仲介会社が直接コミュニケーションを取れる「ビズリーチ・サクシード」や、物流のDXプラットフォーム「トラボックス」などの事業を中長期的に成長させていく。

会見の最後に南社長はこう語った。

「これからは確実に人材が企業の最大の資産となる時代です。従業員が企業を選ぶ時代になり、企業はデータを使って従業員と向き合っていかなければいけない。システムを通じたデータこそが経営に必要になってきます。人間が人間に対する正しい判断をするためのデータシステムを構築していきたい。

本日お話したことは次の10年の間に徹底的に、思いのみならずリソースを投資した上で必ず実現します。社会の課題を解決すべく10年間事業を行なって参りましたが、ようやくそれを実現するスタートラインに立てたと思っています」

ビズリーチ創業の12年前から働き方の領域でDXを推進してきたビジョナル。あらゆる局面でDXがさらに声高に叫ばれる時代に、今回の上場は産業全体のDX化を牽引する存在へと飛躍できる契機となるだろうか。

文=河村優

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