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フォーブスジャパン編集部


勉強会の成果報告会では、企業側からサステナブルな取り組みの発信や広報に課題があり、生活者へのアピールを「ファッションリーダー小泉大臣から呼びかけてほしい」と求める声もあった。このほか、海洋汚染の原因になる合成繊維に含まれるマイクロプラスチックの流出を防ぐため、企業間で連携し、排水時にそれらを補集するマイクロファイバーネットを安価に開発し、ネットの使用啓発をすることなどが求められた。

衣服・ペットボトルリサイクル、長年の課題


また、リサイクルなどのインフラ整備や運用にはコストがかかるため、資金面の支援を求める声も多く、東レからは「ケミカルリサイクル設備の共同利用」が提案された。

帝人フロンティアの担当者は、日本化学繊維協会内でリサイクルしやすい製品設計を推進すべく、業界として標準化を検討し始めている現状を報告。「20年前からリサイクル、循環型ファッションについて取り組み始めていますが、正直うまくいっていない」と述べ、その原因として以下の点をあげた。

まず、回収される衣料の量が安定せず、それらの製品の品質も一様ではない。中には衣料品とは思えないものも回収されるケースがあるという。また手間をかければより細かな分別は進むが、高コストであり、今後設立される「企業コンソーシアム」でも議論の継続を求めた。

現状ではポリエステルのリサイクル繊維はペットボトル由来のものが多く、回収されるペットボトルの純度が向上してきた一方で、まだタバコや油で汚れたものが含まれているという。また、市区町村単位で品質の差があり、高品質なペットボトルを回収するためにも環境省から地方自治体への管理指導の強化を求める声もあった。

サステナブル先進国と足並みを揃えたルール、場づくりを


独自のケミカルリサイクル技術「BRING Technology(TM)」を手がける日本環境設計は、国際会議などでの発信にも力を入れてきた。同社は2019年6月に来日したフランスのマクロン大統領と面談し、自社のリサイクル技術やいらなくなった衣服の回収の取り組みを紹介したところ「フランスでも必要だからやってほしい」と求められ、ヨーロッパでの展開も進めている。担当者は「服をとにかく燃やさないという共通認識が必要」と呼びかけた。

日本環境設計は、リサイクルやサステナブル素材の技術開発や実証のフィールドとなる国内拠点を整備することで、世界各地の化学会社や繊維業界を呼び込み、日本発の技術開発を促進する構想を述べた。「脱炭素を目指し、国際的に協調、連携できる場や仕組みを作るため、具体的な策について議論を進めたい」と語った。

環境省は国民へのわかりやすい情報発信の第一歩として「サステナブルファッション」のウェブサイトを開設。洋服が作られてから廃棄されるまでの流れや環境負荷の実態などをイラストやデータで示し、企業の好事例を紹介している。

環境省 サステナブルファッション
ウェブサイトでは、SNSなどでシェアする画像も自由にダウンロードできる

今後は国内でもヨーロッパなどサステナブルファッションの先進国と足並みを揃えた目標設定やルールづくりを求める機運が高まっていくだろう。

文=督あかり

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