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シリコンバレーでは、CVCがVCに比べて動きが遅いと思われている。しかし、日本では日本航空やダイキンがファンドを立ち上げるなど、CVCの数は急増している。

日本におけるスタートアップの投資動向を調査しているInitialによると、過去5年で93ものCVCが設立された。製造業のスタートアップは、地味で資本集約的であることから、伝統的なVCから出資を得ることは困難だった。一方で、CVCは、これらのスタートアップにも、積極的に投資をしている。

スタートアップへの投資で事業を強化


カセットテープ世代にとって、TDKは馴染みの深いブランドだが、同社の2020年度の売上高は125億ドルと、前年から1%減少した。同社は、磁気製品や電子機器に用いられるフェライトの商業化を目的に1935年に設立されたが、現在ではコンデンサや磁気製品、センサー、パワーサプライなどを生産している。

他のCVCと同様に、TDKベンチャーズも親会社の規模の大きさが投資先企業にとって有利に働くことを期待している。また、TDKは、CVCによる投資を通じて新しいテクノロジーに対する知見を得て、自社の事業を強化したいと考えている。

TDKの石黒社長によると、1号ファンドの成功を踏まえ、2号ファンドの設立は、取締役会において満場一致で承認されたという。「Nicolasを始めするCVCのチームは、私の期待を超える活躍を見せた」と石黒社長は述べた。

同社の2号ファンドの最初の出資先は、AIチップを開発するAnalog Inferenceだ。同社の製品は、動画分析や自動運転などに用いられている。「TDKは我々と事業領域が近いが、自社ではAIをやっていないため、理想的なパートナーだった」とAnalog InferenceのCEO、Carey Klossは述べている。

Sauvageによると、現在2社への出資を検討しており、製造業の分野には、出資する価値のある革新的なスタートアップが他にも数多く存在するという。「VCにとってソフトウェア企業に出資することは簡単であったため、ハードウェア企業に目が向いてこなかった」と彼は話す。

また、伝統的な製造業の多くがオペレーションの再構築に取り組んでいる。「あらゆる企業が必要に迫られてオペレーションの改善を図っている。誰もコダックのようになりたくないからだ」とHollandは語った。

編集=上田裕資

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