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薄く・カラフルになった「iPhoneみたいなiMac」


デスクトップPCのiMacが大胆なモデルチェンジを果たした。24インチのディスプレイ部は厚みがわずか11.5ミリというから驚きだ。アップルによると、同社が独自に設計した高性能・省電力シリコンのApple M1チップがデザインの革新を生んだのだという。

アップルが1998年に発表したブラウン管ディスプレイのiMac G3以来、久しぶりにiMacシリーズの多彩なカラーバリエーションが揃った。アップルによるとCOVID-19によるパンデミックの影響を避けるため、自宅でリモートワークに勤しむ人々がステイホームを明るくポジティブに過ごしてもらいたいという思いが、イエローにオレンジ、ピンクなど暖色系を含むあざやかな全7色のモデルに込められているそうだ。


新しいiMacに鮮やかな7色のカラーバリエーションが登場する。

大きく変わる点は外観にとどまらない。最新のmacOS 11から、MacでiPhone/iPad向けのアプリやゲームが楽しめるようになった。専用キーボードには指紋認証機能のTouch IDが初めて搭載される。iPhone 12シリーズのMagSafeワイヤレス充電器のようにiMacの電源コネクタは本体背面に磁石で取り付けられる。

これ以上の詳細については割愛するが、先に触れたスリムでカラバリ豊富なデザインも含めてiMacのフィーリングが要所においてiPhoneやiPadのそれに一段と近づいた印象がある。


iMac専用キーボードに初めてTouch IDによる指紋認証機能が付く。

ティム・クックCEOをはじめ、これまでにアップルの多くの担当者が発表会等の場で「今後もiPadとMacBookがどちらかひとつのデバイスに統合されたり、あるいはそれぞれのマシンを動かすOSが統一されることはあり得ない」と繰り返しコメントしてきた。

ただ一方では、それぞれのデバイス独自の魅力を際立たせながらも、同じアプリが使えたり、立体音響再生などエンターテインメント系の機能を共通化することにより「体験の連続性(Continuity)」をつなぐことにアップルは惜しみなく力を注いでいる。「iPhoneみたいに使えるiMac」の感覚は、これまでデスクトップPCに興味を持たなかったユーザーを魅了する可能性がある。

Macのパフォーマンスに肩を並べるiPad Pro


iPadシリーズのフラグシップである新しい「iPad Pro」も発表された。5Gの高速モバイル通信に対応したことや高画質ディスプレイの搭載に比べると、あるいは地味な話題に感じられるかもしれないが、本機からiPhone/iPadが搭載してきたAシリーズから、アップル独自設計のApple M1チップにプロセッサーが変更される。


新しいiPad Proは2020年のモデルからデザインは大きく変わっていない。Magic Keyboardのホワイトモデルが追加される

元はM1チップがAシリーズのアーキテクチャをベースに誕生したプロセッサーであることから、iPadがわざわざM1チップを載せることのメリットが理解しづらい所もある。その理由をアップルは「前モデルを越えるパワーを持たせて、新開発のディスプレイ、5G対応をはじめとする革新を盛り込みながら、同時に薄型化と消費電力の効率化を実現するためにM1チップが大きく貢献する」と説いている。

いま世界では市場環境の急速な変化を原因とする半導体の供給不足が起きている。M1チップを搭載するiPad Proや、アップルのデバイスに対する影響もあるのだろうか。4月下旬の発表が予想される同社2021年度第2四半期の決算報告の際に何らかのコメントが出されるのか注目したい。

文=山本 敦

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