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4月12日、中国軍機25機が台湾の防空識別圏(ADIZ)に侵入した。これは、こうした活動の報告を台湾が始めた2020年9月中旬以降で最大規模の侵入だ。

確認された中国人民解放軍空軍(PLAAF)の戦闘機には、「殲16(J-16)」と「殲10(J-10)」戦闘機18機のほか、爆撃機「轟6K(H-6K)」4機も含まれる。そのほか、早期警戒管制機「空警500(KJ-500)」1機、対潜哨戒機「運8(Y-8)」2機も確認された。

台湾国防部の声明によれば、台湾は無線の警告を発しつつ、自軍の戦闘機を緊急発進させ、地対空ミサイル・レーダーシステムにより中国軍の活動を監視したという。

台湾海峡上空への中国軍機の侵入は、目新しいことではない。防空識別圏とは、台湾と中国の領空を非公式に区切る、慎重な扱いを要する境界線のことだが、これまでもこの境界線を中国軍の戦闘機が越えたことが何度も確認されている。しかし2021年になってから、中国軍の活動の規模と頻度は新たな展開を見せている。

そうした活動は、東沙諸島に近い南シナ海の北端に集中している。1月には、中国本土からの侵入が増加。この海域を米海軍の「セオドア・ルーズベルト」空母打撃群が航行した際には、中国軍の戦闘機が、空母に対する作戦を想定した訓練を行ったと伝えられている。

2月下旬から3月の大半にかけては、中国軍機の侵入回数は比較的一定に保たれ、その大部分は戦闘機1機か、多くても2機によるものだった。3月末にその傾向が変わり、台湾海峡を飛行する中国軍の戦闘機と偵察機の数が大幅に増加した。

台湾の防空識別圏に侵入した中国軍機は、3月26日には20機にのぼったほか、4月12日までの時点で、4月における3回の合計で10機を超えている。また、4月はじめには、中国空母「遼寧」と護衛艦が、台湾の東で演習を実施すると同時に、複数の中国軍戦闘機が西側のADIZに侵入した。

ここ数週間で、中国が空と海での活動の規模を拡大していることから、この海域での軍事衝突の懸念が強まっている。とりわけ、台湾が実効支配する東沙諸島は、位置的に孤立しているため攻撃を受けやすいと考えられている。そうした懸念が、台湾による海軍陸戦隊約500人の配備につながっている。

中国は今でも、台湾を自国の省と見なしている。台湾の行動は非難されるべきであり、再統一は必然であり、その目標を達成するためには武力行使も含めたあらゆる手段をとる権利があると主張している。中国政府が侵攻の可能性を排除したことはなく、最新鋭の国産兵器システムの配備を通じて、そうした作戦を実施する能力を継続的に確保している。具体的には、空母や揚陸艦の建造、ステルス戦闘機「殲20(J-20)」、軍装備の現代化などだ。

翻訳=梅田智世/ガリレオ

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